Mobile:NEWS 2003年7月16日 11:35 PM 更新

BREW端末46万台、着うた端末は200万台〜KDDIの小野寺氏

auが「3Gならではのサービス」として打ち出した着うたやBREWが好調だ。これらが新しい市場開拓につながると小野寺氏はいう。デザインコンセプトモデルの商品化を実際に進めている、という話しも飛び出した。

 KDDIの小野寺正社長がWIRELESS JAPAN 2003のカンファレンスに登場、3G端末向けサービスの現状と、今後の進化の方向性について語った。auの3Gサービス「CDMA2000 1x」は6月末時点で約860万加入に達するなど好調に推移(7月7日の記事参照)。3G端末向けに展開する「着うた」や「BREW」などのサービスも、新しい市場形成につながると自信を見せた。


KDDIの小野寺正社長

着うたは年間50〜60億円のビジネスに

 小野寺氏は着うたについて、「年間(売り上げ)50〜60億円もすぐではないか」と好調さをアピール。対応端末200万台、対応サイト10サイト(いずれも5月時点)、2002年から2003年までの6カ月間の売り上げが約7.2億円という数字も明らかにした。


着うたと着メロの市場動向

 着うたの登場が着メロの売り上げに響いていないことから、新しいマーケットを創造できたと小野寺氏は見ている。「着信メロディでは作曲者にしか入らなかった著作権料が、着うたではレコード会社にも入るようになった。コンテンツプロバイダにとってのメリットも大きい」

 auが対応端末のラインアップを強化しているムービーについても、着うたや着メロのようにムービーを設定する「着ムービー」が新しい流れを作りつつあると言い、「今までとは違う世界を作れるのではないか」と期待を寄せる。「CMを着ムービーにして、コンテンツ料を無料にするような、広告を含む新しい市場がつくれる」

 2月からダウンロード可能なアプリの提供が始まったBREWは、5月末時点で稼働台数が46万台、ダウンロードはトータルで60万を数える。BREW対応端末の年間目標販売数が700万であることから「普及はこれから」の感があるが、コミュニケーションやビジネス用途などで「新しい用途が見つかりそうだ」と小野寺氏は強気。BREWではアプリとOSが切り離され、後から必要なアプリを追加できるため、「イントラネットと相性がいい特定アプリを開発できる」。端末を作り変える必要なく、「その会社だけで使える端末」にできるメリットを生かしたい考えだ。

カーナビのような音声付きリアルタイムナビ、コンセプトモデルの商品化

 auの3G戦略は、「サービスが先にあってプラットフォームが付いてくる」という考えに基づいており、今後の進化も1)カメラと通信の融合 2)位置情報の活用 3)財布、定期替わり という3つの流れが基本になる。

 中でも位置情報については、カーナビを携帯で実現するイメージの、音声ナビゲーション付きeznavigationを本年にも提供予定だ。移動に伴って地図を自動スクロールし、曲がるポイントなどは音声ガイダンスで知らせるものだ。「これまでサーバ側でやっていたことを端末側でやる、マンナビといわれるもの」。


音声ナビ付きeznavigationのサービスイメージ

 また近い将来、Global Passportが非音声サービスでも国際ローミングできるよう開発を進めているという。CDMA圏だけでは限界がある端末ローミングも、CDMAとGSMのデュアル端末でより広範な国をカバーできると見ている。「GSMとCDMAのデュアル端末が近い将来実現するのは間違いない。W-CDMAにいかなくても、国際ローミングは十分実現できる」。さらに、代替としてのチップローミングもあるが、常に使っている端末そのものを持ち出せる端末ローミングがメインではないかと言う(2001年11月1日の記事参照)。

 興味深いのは、これまでコンセプトモデルとして展示されていた製品の商品化。KDDIは毎年、デザインを重視したコンセプトモデルをイベントなどで公開(5月20日の記事2002年5月22日の記事参照)、注目を集めている。小野寺氏は「怒られてしまうかもしれないが」と言いながらも「一部については商品化を計画、実際に進めている」と明かした。



関連記事
▼ KDDI、BREWを導入〜ローエンド端末にも
KDDIがBREW端末「A5304T」を発表した。BREWによって、アプリケーションの世界流通、企業向けアプリケーションの開拓、コンシューマ向けの快適なアプリケーション環境を狙う。Javaとは異なり、今後ローエンド機にもBREWを搭載していく予定

▼ IMT-2000は誤解だらけ?
IMT-2000で謳われた、「映像配信」「国際ローミング」といった機能はどうなっているのだろうか。第3世代携帯電話に過度な期待をしてはいけない。クアルコム社長がIMT-2000の誤解を解く。

▼ auデザイン志向携帯「talby」、商品化目指す
毎年、ビジネスシヨウで斬新な携帯のデザインモックを展示するKDDI。今年は海外のデザイナー、マーク・ニューソンがデザインしたソリッドでシンプルな「talby」が目玉。商品化を見据えたリアリティのあるデザインだという

▼ KDDIが考える“石ころ”型携帯
携帯電話に詰め込まれた技術は急速に進歩したが、逆にデザインはどれも似通ったものになってきてしまった。KDDIは“技術の粋を集めた”デザインではなく、個性的で魅力的なデザインのイメージモックを展示した。

[後藤祥子, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!