Mobile:NEWS 2003年7月17日 01:45 PM 更新

FOMAの3つの課題〜ドコモ立川社長

軌道に乗ってきたFOMAについて、今後の進化の方向と現状の課題を、WIRELESS JAPANで立川社長が講演した。最大の課題はサービスだと言う。

 NTTドコモの立川敬二社長が7月17日、WIRELESS JAPAN 2003でFOAMについての講演を行った。FOMAの現状と合わせて、今後のFOMA進化の方向性を話した。

 立川氏が自ら「1年ちょっとの間は比較的低迷していました」と言うFOMAだが、端末が揃ってきた今年3月からは急速に普及をはじめ、「今年中に100万を超え、年度末には150万契約」(立川氏)という状況だ(7月7日の記事参照)。そんな中、同氏はFOAMの3つの課題を挙げた。


FOMAの3つの課題

 立川氏がFOMAの課題とするのは、「エリア」「端末」「サービス」の3つだ。

 このうちエリアに関しては方向性がはっきりとしている。2004年3月には人口カバー率で99%と急速に利用エリアを広げていく方針だ(2002年12月の記事参照)。エリア面での課題としたのは、屋内での利用。

 「高速広帯域通信は、あまり歩きながら使う人はいなかった。急遽、屋内のカバーが重要だということになった」。ビル内用の小型基地局を開発し、2004年3月には1600個を設置、2005年3月には3000個まで広げる方針だ(6月16日の記事参照)。

 端末のほうは、順次高機能化を進める。TV電話とカメラを標準搭載すると共に、連続待受時間は300時間以上、サイズは100グラム以下、100cc以下を達成し、2004年はさらに向上を目指す。

 さらに「今後、クレジットカード的な非接触ICチップを入れるとか、地上波デジタル放送対応とかいろんなことが言われている」と立川氏。高機能化に伴う消費電力のアップについては、「燃料電池がある。(燃料を補給しさえすれば)電池が無限に持つ。メーカーなどからは2005年くらいには何とかなるだろうという話もあるので期待している」と話した。


3.5Gと呼ばれる、最大14.4Mbpsを実現するデータ専用通信方式「HSDPA」(用語)については「ADSLに対抗できるスピード」と話し、サービスインは2005年を目処とした(2月27日の記事参照

最大の課題はサービス

 立川氏が「今回、ようやく明らかになった」と最大の課題と見ているのは、サービスだ。大きな分類として、同氏は6つを挙げた。

  • インターネット
  • ビジュアルコミュニケーション
  • 情報配信
  • 位置情報
  • マシンコミュニケーション
  • 決済商取引

 中でも時間を割いて話したのが、「決済・商取引」。「年間、個人の取引額は280兆円ある。うちクレジット決済は7%しかない」と立川氏。

 「1万円以上ならクレジットカードもあるが、100円の商品を買うのにクレジットカードはない」と話し、非接触ICなどを利用した携帯での少額決済の可能性を示唆した。



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[斎藤健二, ITmedia]

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