数字で読み解く“携帯”(2/4)特に狙い目なのが、自動車産業。現在走っている車の数はだいたい8000万台あって、これに本当に携帯(無線通信機)が載るなら、契約者数はまだまだ伸ばせるということになる。先行するのはKDDIだ。既に数社がCDMA2000 1x対応の通信モジュールを開発し、カーナビなどに搭載済み。2004年3月末で55万台を見込むという(5月8日の記事参照)。 もう1つは、“日本が飽和するなら海外へ”というものだ。ガートナージャパンの調査によると、現時点での世界の携帯電話契約者数は約12億。飽和に向かう国内と異なり、2007年にはこれが17億程度まで伸びると予測されている。 ただし、海外市場を狙っているのは現在ドコモだけ。世界各国のキャリアに少額出資し、既に世界7カ国(日本含む)でiモードを始めている(6月26日の記事参照)。J-フォンは英Vodafoneグループの一員ということもあり、単独で海外に進出することはないだろう。KDDIも海外オペレータへは資本参加ではなく技術協力を行うと話している。
契約者数ともう一つ、収益を決めるもう一方のベクトルであるARPUはどうか。実はこちらは減少が続いている。
ドコモのARPUを見ても、2002年3月には8480円あったARPUが、2003年には8120円に減少。2004年には7840まで下がると見られている。NTTドコモの2002年度の決算資料より 内訳を見ていくと、大きく減っているのは音声のARPUだ。つまり、みんな通話に対してあまりお金を払わなくなった。この音声ARPUの減少を、データのARPU(つまりiモードなど)の上昇でカバーしているのが現状だ。 音声ARPUが減る理由は大きく二つの説明がある。一つは、毎年の値下げによるもの。ドコモの場合で見ると、6年前の1997年当時、10円で通話できたのは14秒間だった(プランA、日中、同県内)。何度かの値下げを経て、現在では10円で18秒の通話ができるようになった。20%近くも値下がった計算だ。基本料金も1997年当時の5800円(プランA)から、現在4500円まで下がっている。さまざまな割引プランも始まった。
[斎藤健二, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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