端末メーカー主導のコンテンツ戦略〜「Forum Nokia」携帯コンテンツの配信には通信キャリアと端末メーカー、コンテンツプロバイダの3者の協力が不可欠。Nokiaが運営する「Forum Nokia」は、Nokia端末向けコンテンツの開発を支援、通信オペレータやコンテンツプロバイダとの間のコーディネートする役割を担う。
「19の端末メーカーが合計120以上のJava端末を市場に投入、50以上の海外通信キャリアが(データ通信利用の)新しいビジネスを始めようとしている」。ノキア・ジャパンのForum Nokia日本代表の大塚孝之氏が、こう説明するように、海外でのコンテンツビジネスが加速し始めている。 大塚氏はmobidec 2003の講演で、端末メーカーのNokiaが海外のコンテンツビジネスにどのようにかかわっていくのかを話した。 端末シェアの拡大をにらんでNokiaが力を入れているのが開発者を支援する「Forum Nokia」というWebサイトだ。
「Forum Nokia」は、無償で登録できる開発者向けのサイトで、開発ツールやサンプルコード、情報交換の場が提供されている。開発したコンテンツは、サイト内のTradePointで通信キャリアと直接交渉できるほか、各国のコンテンツアグリゲータを招いたイベントでの交渉も可能。コンシューマーと企業向けに分けられたオンラインマーケットへの出品も行えるなど、通信キャリアとの交渉やオンライン販売の場まで提供しているのが特徴。登録メンバーは全世界に110万人を数える。 端末メーカーが端末機能をオープンにしてツールを提供し、開発支援とコーディネートを行えば、各国のNokia端末ユーザー向けにより多くのコンテンツを提供でき、各国の通信キャリアのニーズに合ったコンテンツも提供できるようになる。サービスの豊富さを端末の魅力としてアピールし、シェアを拡大させたい考えだ。 大塚氏が日本のコンテンツプロバイダにアピールするのが、Forum Nokia内の「アーリー・アクセス・プロジェクト」。最新端末の機能を使ったコンテンツを端末発売と同時に提供するためのプロジェクトだ。世界中からコンテンツやサービスに関する提案書を募集し、実現性があるものや、必要とする通信事業者があるものについて、Nokiaがプロトタイプ端末の貸し出しや技術サポートを行う。 現在、アーリー・アクセス・プロジェクトの対象となっているのが「Nokia 6600」。搭載されるのはseries 60 Platformの最新バージョン2.0で、JavaのMIDP 2.0対応を始め、SyncMLを使ったデータ同期やVPNのサポート、ユーザーインタフェースのカスタマイズ対応などの新機能が盛り込まれている。 こうした6600の機能は、ドコモの505iなど、日本の高機能端末向けに大画面でリッチなコンテンツを開発している日本のコンテンツプロバイダに向いているのではないかと大塚氏。「今持っている資産や開発力を生かして海外に進出できる。(1ダウンロード)1000円くらいのコンテンツでも(出来がよければ)売れる場所に出てきてほしい」。
データ通信利用が見えてきた今、Nokiaが目指すのは買い替え需要をにらんだサービスの充実。端末が高機能になっても魅力的なコンテンツがなければ端末は売れない。 日本のように通信キャリアが端末機能やサービスをコーディネートするわけではない海外では、通信オペレータのインフラ状況、コンテンツプロバイダの情報は、端末メーカーに集まってくる。 これらをコーディネートすることでNokia端末向けサービスを拡充し、端末シェアを伸ばすのがForum Nokiaの目的だと大塚氏。日本型とは異なるビジネスモデルがどう推移するのかが注目される。 関連記事 Symbian OS、そして「Series 60」とは何か Symbian OSとNokiaのUI、Series 60の組み合わせが、世界のスマートフォン市場で急速にシェアを伸ばそうとしている。Symbian OSそしてSeries 60とは何か。 要なのはオープンな規格と相互運用性〜Nokiaのモバイル戦略 「モバイルマーケットの成長は、マルチメディアメッセージングにかかっている。どの国でもシームレスに利用できる環境作りが必要」。Nokiaの上席副社長Mikko Terho氏はそう言って、オープンスタンダード推進と相互運用性を保証する枠組み作りの重要性を説く 関連リンク mobidec 2003 フォーラム・ノキア [後藤祥子, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
最新スペック搭載ゲームパソコン
最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
FEED BACK |