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2003年9月2日　10:58 PM 更新

“携帯”するきっかけに歩数計〜らくらくホンIII

世界で初めて歩数計を内蔵した携帯電話が登場する。簡単シンプルに歩いた結果を保存できるほか、歩いた数字などをコミュニケーションに活用する機能も備えている。

　ドコモは“らくらくホン”シリーズの4機種目となる「らくらくホンIII」を9月5日から発売する。シリーズ累計で240万台を突破するなど、人気機種で月産16万台という505iシリーズにも迫る販売目標を掲げている。

　最大の特徴はオムロンヘルスケア製の歩数計が内蔵されていることだ。これは「（携帯電話を）携帯するきっかけ作りに」（マーケティング部端末商品担当課長）なることを期待しての機能。機械が嫌いな人は、携帯電話であってもあまり身近に置いておきたくない。歩数計の搭載は、常に持ち歩いてもらうためには最適なアプローチだ。

　2軸の加速度センサーを使い、振動を検知して歩数を計測するもので、「専用の歩数計と同等の性能を持つ。歩行距離やカロリー計算も行える」（有川氏）という本格的なもの。［歩数計を使う］に設定しておけば、放っておくだけで自動的に歩数がカウントされ、背面ディスプレイに歩数が表示されるほか、1日ごとの歩数も記録される。

10分以上の連続歩行（有酸素運動）が行われると、自動的に「しっかり歩行」として認識され、別途その時間や歩数が記録される。健康器具としても優秀だ

　特に腰に付けたりする必要はなく、カバンやポケットの中に入れていても計測は行われるが、2軸のセンサーのため縦置きや横置きしたほうがいい。歩数計に強いオムロンのノウハウも生かされ、単に振動があっただけでは歩数としてカウントされない。定期的な振動が発生して初めて“歩いている”と認識される（歩いていると分かったら振動の初めに遡ってカウントされる）。

歩数計を使ったコンテンツ「東海道五十三次ツアー」も用意される。らくらくホンIIIが、毎日の歩行距離をサイトに自動送信し、到達距離に応じて報償メールが送られてくる。アクセス方法は「メニューリスト」−「ケータイ電話メーカー」−「＠Fケータイ応援団」

歩数計をコミュニケーションにも活用

　らくらくホンIIIでは、歩数計を軸としてコミュニケーションにも活用できる機能が搭載される。一つは、歩数データをあらかじめ指定した相手に自動送信してくれる「自動送信メール機能」だ。

　さらに、歩数や最新の端末開閉日時を把握できる「自動返信メール機能」も備える。これは家族などがらくらくホンIIIに対してメールを出すと、自動で返事が戻ってくるもので、メールでらくらくホンIIIユーザーの様子を知ることができるものだ。

　一つ残念なのはらくらくホンIIIが加速度センサーをは歩数計以外に応用していない点だ。例えば傾きを使った操作に使ったり、カメラ付き端末の場合下方向を知ることもできるはずだ。純粋に歩数にしか使われていないのは、オムロンとの協業内容にも理由がありそうだ。

究極はユニバーサルデザイン

　らくらくホンのターゲットは「いわゆるデジタルデバイドが発生している全年齢層」だと有川氏。究極はユニバーサルデザインだと言う。

　シニア向けと思われることもあるらくらくホンだが、IIIでは、持ち運びしやすくするため薄く、重量も軽くした。ボディカラーにも「フェザーグリーン」など若者向けの配色も持ってきている。

　カメラが搭載されていないなど、全年齢層に向けるには機能的に弱いと考えられる部分もあるが、高齢者に限らず“使いやすい携帯”が求められているのは確か。この名称にどんな印象を持つかは人それぞれだが、“メールと通話が使いやすい端末が欲しい”というユーザーに強力にアピールできるのは間違いない。

　なお、発売当初の価格は3万円台を予定している。

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関連リンク
富士通　F672iのページ
ドコモ ニュースリリース

[斎藤健二, ITmedia]

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