Mobile：Bulverdeは分散コンピューティングの次のステップ～スミス副社長

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2003年9月18日　02:05 AM 更新

　EDGE対応の統合チップ「PXA800EF」（9月10日の記事参照）に続き、次世代XScale──コードネーム「Bulverde」を発表したIntel（9月18日の記事参照）。

　この二つは「Intelが通信およびハンドヘルドに対してコミットメントを持っているという証」だと、ワイヤレス・コミュニケーション＆コンピューティンググループのロナルド・J・スミス上級副社長は語る。

　Intelは携帯／PDAにどんなビジョンを描き、Bulverdeでどのような世界を目指そうとしているのか。スミス副社長に聞いた。

──Bulverdeの特徴を教えてください。

　PCAのアーキテクチャには大幅な進展が見られ、特にXScaleのテクノロジについて大きな進展がありました。BulverdeはXScaleを強化したもので、いくつかの機能があります。

　ワイヤレスMMXはマルチメディアの機能を高速化するもの。それから低消費電力を可能にするワイヤレスSpeed Step。この二つを一緒にすることで、より優れたパフォーマンスを実現できます。ハンドヘルドのデバイスにとってはカギとなる機能だと思っています。

──機能としてカメラを重視している印象があります。ハイエンドの携帯電話ではカメラは必須機能になりつつありますが、PDA市場でもカメラは重要になるのでしょうか。

　クイックキャプチャーテクノロジは、画像や動画の機能を強化するもので、4Mピクセル相当の解像度の処理を可能にします。イメージサイズも自由に可変できます。サイズを変更した場合も解像度が失われることがありません。これは非常に重要な点です

　これから携帯電話がキャプチャーデバイスとして使われていくわけですが、その画像をPCやその他の携帯電話とはサイズの違うスクリーンで表示したいという希望をユーザーは持っています。Bulverdeを使うことで、スクリーンサイズが変わった場合も同等の品質をユーザーは確保できます。

　カメラは機能の一つに過ぎませんが、はい。携帯だけではなく、PDAでもカメラは伸びていくだろうと思っています。

──Bulverdeに期待するのはどのあたりになるのですか。

　Bulverdeはスマートフォンとコミュニケータの両方に使われると思っています。ミドルからハイエンドのデバイスに使われるようになります。また、フル機能のOS──LinuxやマイクロソフトのWindows CE、PalmといったOS対応のものに使われます。

　基本的には（GSM圏向け統合チップ）PXA800Fや800EFだけを使ったときよりも、パフォーマンス、機能性、能力が上がります。スマートフォンだけでなく、ハンドヘルドPDA向けにも設計されているし、これから先、家電市場にも、もしかしたら入っていくかもしれません。

　そして単なるデータ機能付きの電話というよりも、より高度なデバイスに対して向けられているものです。

──2004年の携帯電話はBulverdeでどのようになるとお考えなのでしょうか。

　これだけの能力がありますと、市場そのものを変革することも可能になると思います。現在、消費者やビジネスの場、両方からより能力の高いハンドセットを求める声が強く出ています。

　市場としてはまだ始まったばかりですが、これは分散コンピューティングの次のステップではないかと思っています。昔メインフレームがあって、PCが出現し、クライアント／サーバシステムが出てきて、同じように今度は持って歩けるコンピューティングが出てくるわけです。それが同時に通信にも使える。

　まだまだ早い段階ではありますが、PXA800Fや800EFを使ってより高度な市場が出現すると思いますし、パーソナルなクライアントでデータを処理するにあたっても、今までと違う、もっと高度なことができるようになると思います。

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[斎藤健二, ITmedia]

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