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2003年10月17日　05:47 PM 更新

Mobile&Movie 第84回
インファナル・アフェア「内通者がいる。取引中止だ」

映画の中の名脇役として登場する“モバイル製品”を紹介する「Mobile&Movie」。今回は潜入捜査官と署内の裏切り者との戦いを描く「インファナル・アフェア」。秘密情報のやり取りにはケータイメールが活躍します。

作品名	インファナル・アフェア（無間道）
監督	アンドリュー・ラウ、アラン・マック
制作年・製作国	2002年中国(香港)作品

　香港マフィアになりすましている潜入捜査官ヤンと、マフィアの手先として警察官になったラウ。この二人にとって携帯電話は、内部情報を極秘に伝える重要な連絡手段。ある時は携帯メール、ある時はモールス信号で、警察とマフィアの情報を漏洩し合う場面は手に汗握る緊迫感です。

　警察学校に入学してすぐ、ウォン警視に優秀な素質を見出され、ヤンは潜入警察官に任命されました。マフィアの世界に紛れ込んで数年、ヤンはチンピラになりきって悪事に手を染める日々。自分の身を偽り続け、一時も気の休まらない任務に疲れきっていました。現在ヤンが囮捜査しているのは、サムをボスとする香港屈指の戦闘マフィア。ウォン警視はサムの動向を探らせていますが、ヤンは

「もう耐えられない」

とウォン警視に携帯電話で連絡を入れます。

「警察とチンピラから狙われる」

「この任務が終わるまで……」

　ウォン警視は説得しようとしますが

「もう我慢できない！ あんたがやってみろ！」

　ヤンは怒りをぶつけます。しかし、警察官としての身元を保証してくれるのは、ウォン警視だけ。心から信頼し父親のように慕っているウォン警視に、ヤンはサムに大きな麻薬取引の予定があることを伝えます。

　サムを一網打尽にするチャンスと、計画を練り上げたウォン警視。麻薬取引の予定日に大量の警官を取引場所に配置し、一斉検挙に備えました。ヤンの情報通りに現われたサムと交渉相手を、ウォン警視は泳がせて様子を伺います。しかし、不自然なサムの行動に疑問を持ちます。──まるで警察の動きが読まれているよう。

「無線を切れ」

　ヤンからの連絡に、ウォン警視は無線が盗聴されていたことに気付きます。さらに尾行していた車を見失ってしまい、肝心の麻薬はサムに処分されてしまったのでした。刻一刻と変更していた逮捕計画が、すべてサムに漏れていた事実に驚愕するウォン警視。実はその情報を流していたのは、署内でも随一のエリート刑事ラウでした。サムの子分だったラウもまた、機密情報を流すため、警察に潜り込んでいたのです。

　ネットワーク部門を担当するラウは携帯電話のメールを使って、サムに警察の捜査状況を報告していました。ラウも、麻薬取引の情報が警察につつぬけになっていることを怪しみ、

「内通者がいる。取引中止だ」

とサムに伝え、麻薬を破棄させたのでした。

　ヤンとラウの情報合戦は携帯電話を使って行われ、一瞬たりとも油断のできない展開に。結局この一件で、警察とマフィアにそれぞれ内通者がいることが判明しました。裏切り者は誰なのか執拗に探すものの、お互い見つけられないまま、新たな事件が発生。そして避けられない、ヤンとラウの直接対決の時がやって来ます。潜入捜査官とマフィア内通者という宿命を背負った二人の運命はいかに？

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