Mobile:NEWS 2003年10月20日 09:58 PM 更新

低価格な携帯向け動画エンコーダの狙いは?〜PacketVideo

パケットビデオ・ジャパンが発売する1700円のFOMA向け動画エンコードソフト「pvAuther Lite」。エンジン部は業務用のソフトと同じながら、非常にシンプルな操作画面は一般ユーザーでも戸惑うことがない。同社はこのソフトで携帯動画人口の底上げを狙う。

 PCで作成したMPEG-4動画を、メモリカード付きの携帯電話で見る──。そうした動画の楽しみ方が、盛り上がっている。端末メーカー各社も、機能的にサポートする動きを見せており(10月17日の記事参照)、“動画プレーヤー”としての用途が注目を集めている。

 ここで問題になるのが、動画をどのように作成するかだ。携帯電話で扱える動画のフォーマットは、キャリアや端末登場時期などで異なる上、ライセンス料金の関係から、フリーのエンコーダ(動画作成ソフト)はほとんどないからだ。

一般ユーザーでも直感的に操作できる「pvAuther Lite」

 パケットビデオ・ジャパンが販売を始めた「pvAuther Lite」は、低価格ながらFOMAで扱える動画が簡単に作成できるソフトウェアだ(10月9日の記事参照)。

 同社はコンテンツプロバイダやMPEG-4を使った番組配信企業向けに、動画のエンコーダを提供しているが、携帯で動画を扱うユーザーの底上げを図るためにライト版を開発した。

 「(同社のプロ向けソフト)pvAutherは、プロには簡単に使えるが一般ユーザーにはちょっと敷居が高い。直感的に操作できることをLite版では重視した」とパケットビデオ・ジャパンの高木和典社長は話す。

 実際、pvAuther Liteには設定も含めて一つの画面しかない。携帯向けにエンコードしたい動画ファイルをドラッグ&ドロップして「変換」ボタンを押すだけだ。「シンプルにした代わりに価格を下げる」という考えにより、1700円という破格の価格を実現した。


ファイルを変換するほか、USBカメラを接続して表示した映像をリアルタイムにエンコードする機能も備えている。「カット編集やテキストトラックの編集機能は搭載していないが、要望があれば対応したい」と言う

pvAuther Liteで作成した動画のサンプル。最高画質設定のものを「P2102V」で再生してみた。最高画質設定FOMA標準設定。※PCでの再生にはpvAuther Lite、またはQuickTime 6.4が必要です

 これまでFOMA向けの動画作成ソフトとしては、アップルのQuickTime(6月10日の記事参照)が主流だったが、価格は3500円。確かにpvAuther LiteよりもQuickTimeは遥かに多くの編集機能を持っているが「動画の編集は、別のソフトでやる。質の高いエンコードだけできればいい」と考えるユーザーもいるだろう。

 pvAuther Liteのエンジン部は、業務用のpvAutherと同一。安価な携帯向け動画エンコーダとして、最適だ。


出力項目映像ビットレート音声コーデックフレームレート
FOMA標準51.8KbpsAMR15fps
FOMA録画時間優先27.8KbpsAMR6fps
FOMA/AAC対応機48KbpsAAC/16Kbps7.5fps
最高画質(AMR)147.8KbpsAMR15fps
最高画質(AAC)128KbpsAAC15fps
AMRは12.2Kbps、8KHz。FOMAがダウンロードできる動画には、ビットレートが上限64Kbpsまで、ファイルサイズが300Kバイト以内という制限がある。そのため最高画質の設定は、SDカードなどに保存してFOMAに差し込み、視聴することになる。なおFOMA向けにエンコードしたファイルはボーダフォンの「J-SH53」でも再生できる

携帯動画フォーマットは標準化へ?

 携帯電話で動画を扱うのは当たり前になってきたが、キャリアによって利用できる動画フォーマットが微妙に異なるのはご存じのことと思う。しかしパケットビデオの高木社長は「今は黎明期。標準の方向へ集約する一歩手前」ではないかと見ている。

 ドコモは当初FOMAにASFを採用したが、2051シリーズから、3GPPが策定したMP4ベースの標準フォーマットに変更した。ボーダフォンも、低スペックのCPUでも動作するNancy形式に加え、ドコモと同じMP4ベースのフォーマットを採用している。KDDIは音声コーデックは異なるが、基本的にMP4をベースとしたフォーマットを当初から使っている。

 パケットビデオは、au端末が採用するQualcommのベースバンドチップMSM6000シリーズ(7月16日の記事参照)に、MPEG-4のプレーヤー技術をライセンスしており、Qtv playerとして搭載されている。Qtv playerはQCELPやEVRCのほかAMRもサポートしており、3GPP標準のMPEG-4ファイルを再生できるスペックを備えている。

 「(動画フォーマットを)共通化してほしい、という声がコンテンツプロバイダから非常に多い」と高木社長。業界の底上げのためには、どのキャリアの端末でもシンプルな共通フォーマットをサポートする必要がありそうだ。



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関連リンク
▼ パケットビデオ・ジャパン

[斎藤健二, ITmedia]

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