Mobile:NEWS 2003年11月4日 00:55 AM 更新

BREW2.1で何が変わるのか?

auのA5500シリーズでは、アプリプラットフォームであるBREWのバージョンも2.0から2.1に上がった。BREW2.1のアップデートポイントは何か。そして、今後BREWはどんな方向に進化していくのか。

 auのA5500シリーズ(10月6日の記事参照)では、アプリケーションプラットフォームBREWのバージョンが上がった。最新のBREW2.1では、何がどう変わったのか。

 これまでのau BREW対応端末(「A5304T」「A1304T」「A5306ST」「INFOBAR:A5307ST」)のバージョンは2.0。A5501Tは、世界でも初めてBREW2.1を搭載した端末となる。KDDIはBREW2.1対応に合わせてQVGA液晶を採用。同プラットフォームを使ってパーソナルナビゲーションシステム「EZナビウォーク」を提供している。

※韓国では当初のBREW1.0との互換性を考慮して最新機種でもBREW1.2を採用。米Verizonでは最近の機種は2.0になってきている。

 BREW2.1で大きく変わった点は「カメラ」「3D描画」「サーバ機能」の三つだ。

※もう一つ、「A5502K」(10月6日の記事参照)が搭載する地磁気センサーをサポートする「GetOrientation API」もBREW2.1で標準化された

各フレームをキャプチャ可能。自由度高いカメラAPI

 一つ目はカメラだ。ドコモやボーダフォンでは、504iSシリーズ、J-SH53以降、Javaアプリケーションからカメラを操作できるようになっている(2002年11月の記事参照)。BREW2.1からは、BREWアプリからもカメラ撮影などが可能だ。

 ただし、ドコモのiアプリからのカメラ操作がかなり限定されたものなのに対し(連載「エンタメiアプリを作ろう」参照)、BREW2.1からの操作はプリミティブだ。「カメラモジュールを起動して、各フレームを全部送ってくる。プレビュー表示や撮影もBREWアプリ側で処理する」とクアルコムジャパンのモバイル・アプリケーション・スペシャリストである久保雄介氏は話す。

 ズームやブライトネス操作に関するAPIは標準化されており、そのほかカメラモジュール固有の機能もBREWから操作できる場合がある。「BREWはメーカーの組み込み用ソフトも目指しているので」(久保氏)という理由だ。

MSM6100の3D描画機能をサポート

 二つ目に追加されたのは3D描画用のAPIだ。ボーダフォンやドコモ端末には、Javaアプリから利用できる3Dポリゴンエンジンが用意されているが、同様にBREW2.1でも3D描画が可能になる。

 ただし注意したいのは、これが「MSM6100に用意された3Dアクセラレーション機能を動かすためのもの」(久保氏)であることだ。OpenGLなどと同程度にプリミティブな、Qualcomm固有のフォーマットの3Dデータに対応している。

 A5500シリーズに搭載されたベースバンドチップ「MSM6100」は3D描画機能を持っており、それを利用するためのAPIとなる。そのため3D描画機能を持っていない一世代前のチップ「MSM5100では、ソフトレンダリング部を用意してもらう必要がある」(久保氏)。

 国内ではエイチアイの3Dポリゴンエンジンがデファクトスタンダード的な位置づけにある。KDDIはBREW2.1以降、エイチアイの3Dエンジンを「BREW Extension」として利用できる環境を整えると話しており(2002年8月の記事参照)、MSM6100の3D描画APIは主に海外向けと想定される。

端末と端末がエンドツーエンドで接続

 三つ目が、「TCPのサーバ側になる機能」だ。BREWは携帯向けJava(CLDC)とは異なり、TCP/UDPの多様な通信プロトコルをサポートする。ただし、これまでは対戦ゲームなどで端末同士が通信をしているように見えても、「ゲームサーバが真ん中にあって、そこと通信していた」(久保氏)。

 BREW2.1以降はTCP通信を待ち受ける(listenする)機能が追加され、真の意味で“端末間同士”のTCP通信が可能になる。

A5500シリーズでは“KDDI独自拡張”も

 上記の三つの新機能は、世界各国のBREW2.1端末がサポートする共通機能だ。これとは別に、A5500シリーズにはKDDI独自のAPI拡張も施されている。

  • データフォルダへのアクセス
  • アドレス帳への書き込み
  • QVGA対応

 BREW端末のスペック表でデータフォルダ容量とBREW保存容量が分かれて書かれているように、BREWは既存のauのデータフォルダとはファイルシステムが異なり、BREWが扱うデータ自体も別個に扱われていた。BREWからデータフォルダへのアクセスが可能になったことで、例えばゲームの賞品として特典画像をプレゼントする……といったことも簡単になる。

 QVGA対応は、特に描画アクセラレーションなどが規定されたわけではないが、auA5500シリーズとして共通化された。

 なお、BREW2.1は基本的に後方互換性を持っており、BREW2.0向けに作られたアプリケーションも動作する。ただし、画面解像度がQVGAになったため、全画面できれいに動かすには調整が必要な場合もある。

今後のBREWプラットフォームの進化

 BREWというプラットフォームは、基本的にQualcommのチップに搭載された機能を活用するためのものだ。そのため、BREWの進化もMSMチップの機能追加をフォローする形で進む。

 BREW3.0、4.0では「メモリリークの問題など、メモリ保護の仕組みを導入する予定。これまではネイティブアプリケーションとBREWのメモリ空間が一緒だったが、分ける形になる」と久保氏。

 MSM6100がコアに持つARM9には(7月16日の記事参照)、ハードウェアとしてMMU(Memory Management Unit)が搭載されている。BREW2.1ではMMUを利用していなかったが、今後は「ハードウェアの管理を前提として」(久保氏)MMUを使ったメモリ保護機能が搭載されていくもようだ。



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関連リンク
▼ クアルコムジャパン

[斎藤健二, ITmedia]

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