Mobile:NEWS 2003年12月16日 11:45 AM 更新

TD-CDMA【てぃーでぃー・しーでぃーえむえー】


 TD-CDMA(Time Division-Code Division Multiple Access)とは、IMT-2000で定められた3G規格(用語)の一つ。5種類ある3G規格のうち、CDMA方式を使った規格は3種類が採用されており、それぞれが異なるモードという位置づけで存在している。

 NTTドコモのFOMAはDS-CDMA(用語)、auのCDMA2000はMC-CDMA(用語)であり、どちらもFDD(Frequency Division Duplex)技術を用いた方式である。対するTD-CDMAはTDD(TDD:Time Division Duplex)、すなわち時分割多重の技術を利用している。TD-CDMAでは通信チャネルを符号多重し、時間軸でスロットに分割する。このときスロット毎に上りと下りを割り当てることができるので、ADSLのように非対称な通信速度を持つ構成に設定することができる。

 だが、TD-CDMAが脚光を浴び始めたのは3G携帯としての魅力よりも、上り数百kbps、下り1Mbps程度の定額制常時接続を実現する、いわゆるモバイルブロードバンドシステムの構築である。ADSLの事業会社でもあるイー・アクセスがTD-CDMAの実験局免許を申請し(12月4日の記事参照)、2004年1月にも首都圏で実験を開始するなど、サービスの提供にも現実味が帯びてきている。TD-CDMAは現在国内での採用が認められていないが、総務省では技術評価の審議に入ることを決めており、国内に四つ目目の3G携帯会社が誕生する可能性もある。

 なお、中国で開発されたTD-SCDMA(Time Division Synchronous CDMA、用語)が、最近になって3G携帯の方式として注目を集めるようになってきた。TD-CDMA同様、TDD技術を用いたCDMA方式で、独Siemensが開発に関与している。



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関連リンク
▼ 松下電器産業 IMT2000 CDMA TDD方式の概要
▼ TDD Technical Summary
▼ TD-SCDMA Forum
▼ Siemens TD-SCDMA Whitepaper(PDF)

[江戸川, ITmedia]

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