クイックレスポンスが魅力〜「W11H」のカメラ機能高速で定額のデータ通信が可能な“1X WIN端末”に搭載されたのは、31万画素CMOSカメラ。メガピクセルカメラ搭載端末が相次ぐ中、最先端とはいえないが、レスポンスが速く使い勝手は良好だ。
“1X WIN端末”(11月28日の記事参照)について、最初は機能の概観を(12月15日の記事参照)、次にメールやWeb、文字入力周りの機能を見てきた(12月22日の記事参照)。今回はカメラ周りについて見ていこう。
ヒンジ部に回転カメラが特徴のカメラ機能はA5303Hから継承されたもの。既に触れているが、レンズユニットは指などに触れにくい位置まで回転するように改善された。ただし30万画素クラスのCMOSセンサである点も変わっていない。静止画を添付したEメールも定額利用が可能なだけに、メガピクセル化されなかったのは惜しまれる部分だ。
A5303Hでは“静止画よりも動画のほうが保存が高速”といったアンバランスさがあったが、この点は大幅に改善された。W11HではPCモード(480×640ピクセル)でも、シャッターを押してからプレビューまで4秒程度、プレビューから保存完了まで3秒程度で、保存先が本体メモリでもminiSDでもほとんど変わらない。もちろん撮影サイズが小さければさらにレスポンスは速い。 動画撮影のクイックレスポンスも健在だ。「SH-Mobile」(6月25日の記事参照)でリアルタイムエンコードされているため、撮影完了からプレビュー、プレビューから保存の待ち時間は撮影時間に関わらずほぼ皆無。これは保存先がminiSDでも変わらない。ムービーメール対応端末の中でもトップクラスの軽快感だろう。 静止画は、A5303Hと同じケータイサイズ(120×160ピクセル)、PCサイズ(480×640ピクセル)に、メインディスプレイのQVGA化に伴い壁紙サイズ(240×320ピクセル)が追加された。最大4倍/13段階(ケータイサイズ時)のデジタルズーム機能も利用できる。なおデジタルズームは動画撮影中でも機能する。
動画はS/M/Lサイズ(96×80/128×96/176×144ピクセル)での撮影が可能で、最大15秒までの動画をEメールで送信できる。なお現状でLサイズの送受信が可能なのは、添付可能なファイルサイズが拡張されたW11H、W11Kのみとなる。Eメールへの添付はできないが、Mサイズで最大10分、Lサイズで最大5分という長時間の動画撮影も可能だ。 側面のスライドスイッチで静止画、動画撮影を選択して起動する。回転カメラ、側面ボタン、サブディスプレイの組み合わせで、ディスプレイを開けた状態でも閉じた状態でも撮影を行える。側面ボタンは上キーがライトのオン/オフ(明るさを2段階に切換可能)、下キーがシャッターだ。なお自分撮りでライトを使う場合には、ディスプレイを閉じた状態で行う。
ディスプレイを開けた状態では決定キーがシャッター、上下キーがズーム、左右キーが明るさ調整になる。メールキーで静止画、動画ともに撮影サイズを変更できる。さらに側面の上キーを使えばライトのオン/オフも可能なので、日常的にはサブメニューを呼び出す頻度も低いだろう。 少々注意がいるのは、ホワイトバランスの自動調整に1−2秒かかることだ。屋内などでは被写体をファインダーに収めてから色合いが変化するのを待って撮影したほうがいいだろう。なおホワイトバランスは自動設定外に任意での設定も可能だ。 また、動画もサムネイル表示が可能になった。表示はスクロール操作を優先するなど、サムネイル表示自体が高速というわけではないが、操作時のストレスはそれほどない。この点は静止画でも共通で、本体メモリ、miniSDの区別なくサムネイル表示が可能だ。
miniSDに保存した静止画、動画を直接Eメールに添付して送信できるのも便利。またEメール送信ではフォトメール便など利用するためのメールアドレス自動変換機能も備える。A5303Hのような“J対応”“au C4xx対応”といった送信先の端末の事情に合わせた画像変換機能はなくなったが、これはフォトメール便が容易に利用できるようになったため不要になったものだ。
“1X WIN端末”対応端末という点に注目が集まるW11Hだが、カメラユニットが31万画素CMOSである点を除けば操作性、機能共に不満は感じない。日立端末としては、約1年という長い期間をおいてのフルモデルチェンジだが、前モデルのA5303Hで感じた多くの不満点が改善されている。 W11HやW11Kの特徴ともいえるminiSDカードジャケットは、miniSDをバッテリー部のカバーの代わりにジャケットという形で装着するようになっている。装着時は厚みが増し、スマートとはいえない。 もっとも筆者がジャケットを装着して使ってみたところでは、それほど握り具合は悪くなかった。ポケットなどに放り込んだ場合には厚みは気になるが、手に持って使う分にはminiSDジャケット自体が底部に向かって絞り込まれているため、それほど違和感がない。もっともW11Hは内蔵メモリが20Mバイトと大容量なため、筆者の場合は常時miniSDジャケットを装着しておく必然性はそれほど感じなかった。
W11Hは日立端末伝統の“気くばり機能”も健在で、QVGAディスプレイもしっかり活用されている。あえて注意すべき点を挙げるなら、ベースバンドチップがARM7コアの「MSM5500」であり、CPUとしては既に旧世代化しつつある点だ(10月6日の記事参照)。 もちろんW11HはSH-Mobileでマルチメディア機能が補完されているため、全体の処理能力に不満を感じることはない。しかしおそらく次の“1X WIN端末”は、ARM9コアで146MHzと圧倒的に高い処理能力を持つ「MSM6500」(タイミングによってはMSM6550)が採用される可能性が高い。もちろん端末が相応に多機能、高性能になるかどうかはまた別問題だが、W11Hの購入においてはこの点も知っておくといいだろう。 関連記事 WIN対応端末「W11H」、携帯電話としての使い勝手は auの日立製端末「W11H」は、定額使い放題のインターネット利用を可能にした「CDMA 1x WIN」の、現状で唯一の対応端末。“ダウンロードしまくり”を楽しめるこの端末、携帯電話としての使い勝手はどうなのだろう。 使い勝手も進化したWIN端末〜「W11H」 CDMA 1X WIN端末の「W11H」は、日立初のQVGAディスプレイ搭載機。日本語入力も“読み+次文節推測変換”を採用するなど使い勝手が進化した。今回はメールやWeb、日本語入力まわりを見ていこう。 「月産100万個」〜携帯CPUのデファクト目指す日立のSH-Mobile 第3世代を待たずして、携帯に独立したCPUが搭載されるのは時間の問題になってきた。日立のアプリケーションプロセッサ「SH-Mobile」を搭載した携帯電話は既に登場済み。来年には数割の端末がSH-Mobileを搭載してくるだろうと、日立は自信を見せる。Javaの高速化、美しい3D、そして動画再生と携帯の機能は一段と進化を遂げる auの冬モデルの違いを知る〜CPUからCCDまで 特徴があまりに多いため、全貌を把握しにくい、今回のau冬モデル。CPUの違い、カメラ、音源チップなどから、各機種の違いを探っていく。 ダウンロードしまくりの快感〜1x WIN「W11H」 速度2.4Mbps、料金は4200円定額。革新的な携帯電話がauから発売された。“ブロードバンドケータイ”を名乗る、CDMA 1x WINの使い勝手はどうなのか。ファーストインプレッションをお届けする。 [坪山博貴, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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