Mobile:NEWS 2003年12月25日 08:49 PM 更新

ケータイカメラ画質研究ラボ
画質は文句なし、課題は保存時間「SH505iS」(1/2)

ドコモの「SH505iS」は、ボーダフォンの「V601SH」やauの「A5403CA」と同様、オートフォーカス機構を備えた2Mピクセルカメラが特徴。画質はこのクラスで最高峰といえるが、大容量画像は保存が遅いという課題も残されている。

 カメラ付きケータイの雄であるシャープの最新端末が「SH505iS」(12月9日の記事参照)。先日紹介したボーダフォンのオートフォーカス機構付き202万画素端末「V601SH」(12月19日の記事参照)と、カメラ機能は同等だが、SH505iSのほうがよりカメラっぽい使い方ができるようデザインされている。

 両者の一番の違いは、V601SHが端末を開いて従来のカメラ付きケータイスタイルで撮るのに対し、SH505iSはカメラ付きケータイスタイル、横位置のデジカメスタイルのいずれでも撮れるところだ。


デジカメスタイルで撮るときは閉じたまま横位置で持つ。このときサブディスプレイ右の3つのボタンで操作し、上部のシャッターを押す。この状態でも画像は「縦位置」記録だが、EXIF情報に「画像方向」がセットされるので、それに対応した画像ビューワで見ると自動的に横位置で表示される

開いて縦位置で撮るときはこのスタイル。サブメニューから細かい設定を行える。円形十字キーの右上にカメラボタンがあり、すぐカメラモードにできるのがうれしい。ちなみに、[0]キーがAFロック、[view]キーが全画面表示、[iモード]キーがピクチャーライトのショートカットである

 SH505iSはV601SHや「SH505i」(6月25日の記事参照)と違って本体底面にカメラを備えている。円形で少し飛び出たプレートにカメラとライト、スピーカーがレイアウトされ、この円の中にカメラ機能が凝縮されている。デザイン的にもデジタルカメラを意識した感が強い。底面には撮影時に指がひっかかる、カメラでいうところのグリップに相当する出っ張りがあり、握ったときもけっこう安定する。そのあたりの使い勝手も考えられている。

 レンズはF2.8の単焦点でCCDは202万画素、オートフォーカス機構付き。最大解像度は1224×1632ピクセルと、一般的な200万画素デジカメよりわずかに多い。

 デジカメスタイルで撮りたいときは、閉じたまま側面のシャッターボタンを長押しするか、サブディスプレイの横にある表側の決定ボタンを押してメニューを表示させ、「カメラ」を選ぶ。どちらでもOKだ。

 カメラモードにしたらあとはシャッターを押すだけだが、注目すべきは、側面のシャッターボタンのスイッチが「2段階」になっていて「半押し」ができること。

 一般にオートフォーカスカメラのシャッターは2段階になっていて、半分だけ押すと最初のスイッチが入り、ピント合わせ(AF)や露出決定を行う。そしてシャッターボタンを最後まで押し切ると撮影する。それと同じ仕組みを、SH505iSの側面のボタンは備えているのだ。

 シャッターの位置も構えたときに押しやすい位置にあり、ここでもかなり「デジカメ」を意識した作りになっていることが分かる。

 このときは小さなサブディスプレイがファインダーとして使われるが、小さいながらも1.2インチのTFT液晶になっていてそれなりに見やすい。


本体底面にカメラ部が配置されている。円形パネルがカメラを主張していて面白い。レンズはF2.8と明るめ。レンズの右下にあるのがピクチャーライト。カメラ部と反対側の端にはグリップにもなる「足」が付いている


デジカメスタイルで撮るときのシャッター。位置もよく、半押し時のクリック感もしっかりしていて、とても使いやすい。まさにカメラ感覚で押せるのが素晴らしい

 閉じて撮るときはサブディスプレイ横の3つのボタンで撮影時のさまざまな操作を行う。中央のボタンがメニュー表示と決定、その両脇のボタンで項目選択を行うが、そのメニューは極めて簡素。ピクチャーライトのオン/オフとカメラモード切り替え(静止画モードと動画モード)以外は、「オリジナルモード呼び出し1」と「2」があるだけだ。

 しかしこの「オリジナルモード呼び出し」が、重要なポイントになる。SH505iSが持つカメラ機能はけっこう多いが、その各種機能の組み合わせをオリジナルモードとして2つ登録しておけるのだ。自分好みのよく使うセッティングを2つ登録しておけば、簡単な操作ですぐ呼び出して切り替えられるというわけだ。

 一番ポピュラーなのは、オリジナル1に「通常モード」、オリジナル2に「マクロ撮影モード」を割り当てるような使い方だろう。そう考えると、あとひとつくらいセットできてもよかった気はする。

 開いて撮影するときは、右上のカメラモードボタンを押すとカメラモードになる。閉じたときのみならず、開いたときでもすぐにカメラモードにできるのはなかなかいい。

 このときには決定ボタンがシャッターになるのだが、これには半押しはないので、シャッターを押すとまずAF機構が動作し、ピント合わせ(1〜2秒はかかる)を行ってからシャッターが切れる。この場合はどうしてもシャッターチャンスを逃しがちなので、それを嫌うときはAFボタンを先に押してピントを確定させてからタイミングを見計らって撮影するのがいい。[0]キー(ちょっと遠いのが難点)がAFボタンだ。

 開いているときはサブメニューからさまざまな撮影機能をセットできる。

 撮影サイズは2種類のiショットのほか、サブディスプレイ用の待ち受け画面(160×120)、メインの待ち受け画面(240×320)、VGA(480×640)、XGA(768×1024)、2M記録(1224×1632)と7種類もある。画質もNORMAL、FINE、SUPER FINEの3つでこの組み合わせで選ぶ。画質を求めるならSUPER FINEが良さそうだ。それでも本職デジカメの同等モードに比べると圧縮率が高めだからである。

 重要なのはAFモード切り替え。標準、接写に加えて、人物、風景、マニュアルフォーカスが用意されている。人物や風景はある程度ピントの合う範囲を予測するので多少AF時間が短縮できる。


AFモードは5種類。ただ通常は「標準」と「接写」を切り替える程度で問題ないだろう(左)。通常はこのように上下に撮影ガイドや撮影モードのアイコン表示が出る。ピントが合うと緑色の○が表示されるので分かりやすいが、いかんせん、上下がトリミングされるのはよくない(中)。[0]キーで全画面表示になるので、撮影時はこれで構図を確認するようにしたい(右)

 実際には1メートル以上はもう無限遠と同じようなもので、AFが本領を発揮するのはマクロの範囲から1メートルくらいの近距離撮影時だ。あとはシーンモードがあるくらいで、ホワイトバランスなどはオートのみとシンプル。

 これらのセッティングは撮影時も画面上部2段分を占有して表示され、さらに画面下部1段も操作ガイドで占有されるので、撮影時に構図が分からないというデメリットもある。両端がトリミングされた形で表示されるからだ。この場合には「view」ボタンを押せば全画面表示モードになるので構図を確認して撮影できる。ピントが合ったかどうかのインジケータも見えなくなるのが難点だが、撮影時はやはり全画面表示にしたい。

 以上の各種設定の組み合わせを「オリジナルモード」として登録しておける。わたしはオリジナル1を標準AF、オリジナル2を接写AFにし、どちらも自動保存と全画面表示をオンにしておいた。そうするとオリジナルモードを呼び出した時点で全画面表示になるから便利だ(サブディスプレイで撮影する場合は特に)。

[荻窪圭, ITmedia]

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