Mobile:NEWS 2003年12月25日 08:50 PM 更新

ケータイカメラ画質研究ラボ
画質は文句なし、課題は保存時間「SH505iS」(2/2)


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晴天下での撮影:さすがシャープというキレのよさ

 まずは黄色い象のすべり台から作例を見ていこう。比較対象はカシオのEXILIM S20である。

晴天下で象のすべり台を撮影。左がSH505iS、右がEXILIM

 いや、もう文句ないです、ほんと。ディテールのシャープさこそEXILIMのほうが上で、SH505iSは微妙な曲線で補完処理が破綻してるところもあるけれども、そんなの拡大表示(あるいは大きく印刷)しないと分からないようなレベルであって、カメラ付きケータイとしては何の問題もないレベルと思っていい。これはかなり優秀。

風景と青空。左がSH505iS、右がEXILIM

 こちらも優秀だが、よく見ると、SH505iSの左右の端がやや緑色にかぶっている。原因は不明だが、このあたりがレンズの制約や個体差によるものかもしれない。

あずま屋を撮影。左がSH505iS、右がEXILIM

 あずま屋は縦位置で撮ってみた。もう見てのとおり。「SO505iS」(画質チェック記事参照)、「N505iS」(画質チェック記事参照)、「V601SH」(画質チェック記事参照)は同じ日に作例を撮っているので、これらのカメラ付きケータイと比べてもらってもいいだろう。V601SHと画質傾向は同じでどちらもかなり優秀といっていい。


SH505iSのマクロで撮影

 最後にマクロ作例を。色もきれいに出ているし、きちんと中央部の花びらにピントが合っている(SH505iSは中央部の被写体でピントを合わせる)。日差しの強さによる白飛び具合も不自然ではなく、好ましい。

 全体にエッジの処理に甘いところはあるけれども、個人的には許容範囲である。

室内編:暗い場所でも威力を発揮

 まずは蛍光灯下での撮影から。これは前モデルの100万画素機SH505iと比べてみよう。

蛍光灯下で撮影。左がSH505iS、右が前モデルのSH505i

 505iのほうが蛍光灯下での色補正は強力で強く補正されているが、SH505iSも悪くない。ピントもちゃんと合っているし、透明な各種ニッキ水の色も沈んだりせずきちんと描写されてる。


SH505iSで撮影。白熱灯下

 こちらは白熱灯下。バックのグレーを見てもわかるようにホワイトバランスが強力に補正されている。強力な補正が好きな人にはいい。


マクロモードで撮影

 これは接写モードで撮影したマクロ作例。きちんと中央部にピントが合っている。距離は約10センチ。このくらいまで寄ることができる。

 続いてろうそくの明かりで撮った写真を見ていこう。

SH505iSで撮影。左が通常モード、右が夜景モード

 夜景モードだとやや露出アンダーになり、黒が締まって撮れ、よけいな光の反射や白トビも抑えられる。これはなかなかいい。夜景を撮るときはこっちのモードを使うべきだ。増感によるノイズは発生しているが、このくらいなら許容できる。

ピクチャーライトを点灯させたSH505iSで撮影。左はホワイト、右はレッド

 最後にピクチャーライトを点灯して撮ったものだ。全部で7色あり、そこから白と赤で撮ってみた。白を使ったときはやや青白くなっているが、それはろうそくの明かりが赤いため、ホワイトバランスにずれが生じたからだろう。灯り自体はさほど強くないが、小物を撮るときは有効そうだ。


SH505iSで撮影

 これはおまけ。昼間に撮ったソファーで寝る猫である。バックのソファの赤をよく見るとややノイジーなのが気になるが、それをどのくらい許すかは各人の判断ということで。

画質はとてもいいが、別の盲点があった

 SH505iSは、「高画質な200万画素カメラ付きケータイである」ことは明らか。何より色が派手でホワイトバランスも強力。液晶ディスプレイも派手な色を見せてくれるので、気持ちいい写真を撮れる。それは確かだ。

 撮っていて面白いことを発見した。SH505iSは基本的に画像を縦位置で記録する。横位置に構えて撮っても画像は縦位置で記録される。まあ普通だ。ただし、閉じた状態で側面のシャッターを押して撮った写真は、PC上の画像ブラウザ(ただし、ソフトによって違う)で見ると、きちんと横位置で表示されるのだ。

 実は、デジカメ画像の記録方法を細かく定めた「Exif」という規格には「画像のどちらが上か」を示す「画像方向」というパラメータが用意されており、SH505iSはそれを使っているのだ。よってEXIF情報の画像方向パラメータに対応した画像ブラウザでは、開いて撮った写真は縦位置で、閉じて撮った写真は自動的に90度回転させて横位置で表示してくれるのである。開いた状態で横位置で撮っても画像は縦位置扱いになってしまうのは愛嬌だが、これはいいアイデアだ。ほかの端末も採用してほしいし、SH505iSを使う人は覚えておくといいだろう。

 と、ほめたところで次は欠点の話だ。

 SH505iSは非常に高画質で機能もシンプルで使いやすいし、いろいろな撮り方ができるカメラ付きケータイだが、大きな欠点がある。「記録時間が長い」のだ。

 2M記録モードでSUPER FINEという一番高画質なモードに設定、あらかじめピント合わせをしたあとで(つまりAF時間は除く)、miniSDに記録した場合、「撮影」→「処理中」→「保存中」→「保存しました」までの一連の流れに(自動保存にしている場合)、実測で20秒もかかるのだ。画質をNORMALに落としても18秒。これは長い。XGAのNORMAL画質に落とすと半分の10秒弱程度。VGAのSUPER FINEにすると全部で5秒ちょっとと、素直に画像サイズや画質が上がるにつれ保存にかかる時間が長くなる。

 特に長いのが「保存中」の時間で、保存中は「中止」できるので、撮り直したいと思ったら即座に中止するクセがついたほど。

 VGAで撮るなら気にならない速度なので、普段は画像サイズ小さめで、いざというときだけ2Mモードで撮る(オリジナルモードの2つを画像サイズを変えて登録しておくとすぐ切り替えられる)、というような工夫をしたくなるかもしれない。世の中には200万画素でも3秒程度で撮影できるカメラ付きケータイもあるので(カシオのA5403CAとか)、もう少しがんばってほしいと思う。

 もうひとつ、使っていて気になったのは電池の持ち。けっこう消耗が激しいと感じた。詳しくは調べてないので参考程度だが、体感的にほかのカメラ付きケータイに比べて持たないようである。

 それでも使い勝手は悪くないし画質も機能もいいので、普段はVGAやXGAで撮って、いざというときだけ2Mにするという使い方が一番ストレスがなくて気持ちいいかもしれない。



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[荻窪圭, ITmedia]

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