面白いところでは最高解像度のSXGAモードでも2倍のデジタルズームが効くという点。
池にいる白鳥を反対側からデジタルズームで撮影。無理に拡大しているのでディテールの描写はかなり潰れているしエッジも変だが、こういうカットが撮れるのはそれなりに面白い。
最後にマクロ撮影を。
こういう微妙な距離の撮影だとAF機能搭載の良さが出る。ディテールまできれいにピントが合って色鮮やかに撮れている。
なお、撮っていてひとつだけ気になる点があった。常に上下1行分が撮影情報の表示にとられているので、上下が切れて見えない状態で撮らなければならない。つまり構図がきちんと確認できないのである。全画面表示機能は特にないので、気をつけてほしい。
室内での作例を見ていこう。まずは蛍光灯下だ。
実はどちらも同じように撮った写真。ホワイトバランスはオートだけなのでなんともしようがないのである。違うのはAFをオンにしたかパンフォーカスで撮ったかしかない。でも色がこれだけ違う。片方は照明が蛍光灯だとカメラ側が判断してきれいに補正されているが、もう片方は、多分ちょっとした構図の違いでカメラのオートホワイトバランス機能が蛍光灯だと判断できなかったため、蛍光灯補正(蛍光灯は独特の色を持っているのでその補正が必要になる)がかかってないのだろう。実は「F505i」(7月22日の記事参照)でも同様の現象がみられた。
白熱灯下でも同様の現象が起きた。これはどちらもしっかりAFを使って撮っている。
どういうわけか、片方は白熱灯の補正がなされ、もう片方はなされなかった。色はバランスよく出ていて暗部の処理も悪くないだけに残念な結果。強く補正しようがしまいがどちらでも統一されていればいいのだが、ちょっとした構図の違いでブレてしまうのは使うほうとしても少々困る。
ついでにAFを使った作例を。どちらもマクロモードにして、一方はピントを背景の人形に合わせて撮影し、もう一方は手前の飛行機を中央に置いてそれにAFロックしてから構図を変えて撮った。
ピントを合わせたときの構図に違いがあるためか、またもやホワイトバランスがずれたが、AF機能があると特にマクロ撮影時にはこういう技が使えて面白い。
いつものマクロ写真も掲載しておこう。
次はろうそく灯下での写真だ。
シャッター設定の中にシャッタースピードを遅くする設定がある。すると、標準では1/10秒までだったシャッタースピードがさらに遅くなる。このケースでは0.4秒である。当然手ぶれしやすくなるが、通常モードで撮ったものに比べてノイズもなく滑らかなのが分かる。これはなかなかきれいだ。
おまけは暗いところでライトを使ってマクロモードで撮ったネコの顔だ。
F505iSは、とても素直な発色で、ありがちな暗部の不自然な落ち込みもなく、悪くない写りをしてくれる。さらにAF機能が付いて近距離の撮影にも強くなった。それはとてもよく、メガピクセル機としてはお薦めできる画質だ。
写真の記録時間も普通。自動保存をオンにしている場合はシャッターを切ってから保存が完了するまで(miniSDに最高画質で保存した場合)約8秒。手動保存にして保存だけの時間を計ると約5秒。早くはないが十分実用的な時間だ。
ただ苦言が3つ。ひとつはAF撮影に使えるボタンが側面のみであること。でも写真は縦位置で記録される。まあそれで問題があるかといえば、あまりないんだけれども。
2番目は撮影時にディスプレイの上下がトリミングされるため構図がよく分からないこと。これはカメラとしては少々痛い。自動保存をオフにしている場合には、保存前に確認ボタンを押せば構図の確認ができるが、けっこう両端が切れているのが分かるはず。
3番目は室内でのオートホワイトバランスが今ひとつ不安定なこと。F505iより不安定になった気がするのは気のせいだろうか。
全体のバランスはすごくいいのだが、そのあたりが少々残念な部分だ。
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