「F900i」の指紋認証とテレビ電話機能に迫る(2/2 ページ)

» 2004年02月18日 03時34分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 指紋センサーを有効に利用するための機能が「プライバシーモード」。アドレス帳、メールへのアクセス拒否設定が行え、指紋認証後にそれぞれアクセス可能になる。メールは特定フォルダを不可視にすることも可能で、プライバシーモードを解除しない限り他人にはフォルダの存在すら隠せる。秘密が多い人には便利な機能だ。

 プライバシーモードで保護できるのはアドレス帳とメール。自動起動は5/10/30分後の設定が可能で、プライバシーモードを有効に使える

 F505iとは異なり、発着信履歴へのアクセス拒否には対応していないが、アドレス帳がアクセス拒否されている状態では、発着信時、履歴ともにアドレス帳に連動した名前表示が行われないという形でプライバシーが保護される。画像や動画へのアクセス拒否は省かれたようだ。

 左が通常、右がプライバシーモードでアドレス帳にアクセス拒否されている場合の着信履歴。右ではアドレス帳と連動した名前表示が無効になっているのが分かる

 実用性をさらに向上させているのが、一定時間何も操作しないと自動でプライバシーモードに移行する機能だ。メールの特定フォルダをアクセス拒否に設定した場合、プライバシーモードではフォルダ自体が不可視になってしまうので、アクセスするにはプライバシーモードを一時解除する必要がある。この機能を使えばプライバシーモードへの戻し忘れも防げるのだ。

課題はレスポンスとFOMAネットワークか

 ここまでに触れた以外にもF900iは、900iシリーズの共通仕様であるFlashやパワーアップiアプリに対応するなど注目点は多い。iアプリについては900iシリーズに特化したソフトのリリースが遅れているため、検証は見送った。

 iメニューもFlashでの表示になった。なおiモードでの画像表示を無効にすると従来通りのメニュー表示に切り替わる。iモードでもフォントサイズが3段階に変更可能になり、一画面あたりの情報量も増した。右の画面がもっとも小さなフォントサイズ

 F900i固有の問題ではないが、利用していて違和感があったのはFOMA共通のEメールの仕様だ。送信は本文+添付ファイルで100Kバイトまで可能だが、FOMAでの受信は10Kバイトまで。動画(iモーション)は例外としてFOMA端末同士でも100Kバイトまで送受信できるが、静止画は9Kバイトまでと大きく制限される。

 F900iで9Kバイト以下(これはMIMEエンコード後なのでファイルサイズとしては6.5Kバイト前後)で撮影できるのは352×288ピクセルまでで、さらに画質も期待できない。352×288ピクセルなら画質FINEでは30Kバイトを超える場合もあるのだから、6.5Kバイトの画質はどう見ても見劣りするのは否めない。

 QVGAディスプレイを備えた900i同士で高画質画像の送受信ができない点は早急な改善が望まれるところだ(2003年10月の記事参照)。今やauユーザー同士では640×480ピクセルでの画像送受信すら珍しくはない状況なのだ。

 送信先がiモード(FOMA含む)の場合、わずか14Kバイトの画像でもEメール送信を拒否される。iモードセンター側の問題だと思うが、改善が望まれる

 F900iは多機能ながら使い勝手の配慮も行き届いており、少なくとも505i/505iSシリーズに見劣りしない端末に仕上がっている。

 問題なのはレスポンスの悪さ。キー操作の取りこぼしなどは感じないが、妙なタイミングで待ち時間が長いため、慣れるまでは何度もセンターキーを押してしまうようなこともある。miniSDカードに静止画像を書き込む際の長い保存時間も、せっかくのメガピクセルカメラ機能の魅力を半減させかねない。使い勝手がとても工夫されているだけに、残念でならない。

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