エントリー向けということもあって、機能強化もメール機能が中心だ。
日本語入力システムは、フレーズ予測機能を備えた「モバイルルポ」の最新版が搭載された。一度確定したフレーズを学習し、次の入力時に優先表示される仕組みだ。使えば使うほど、ユーザーの変換パターンを覚えていくので「1週間も使えば辞書が鍛えられて、自分色に染まってくる」(東氏)。
日本語入力システムの中には、最初から変換候補がたくさん出てきて選べるものも多いが、モバイルルポの設計思想はそれとは異なるという。「一人の日本語のボキャブラリーは数千語レベル。いくら辞書にたくさんの言葉が入っていて候補として出てきても、使わないものは邪魔なだけ。モバイルルポは、最初に出てくる候補は少ないが、使えば使うほど便利になる」(東氏)
ほかにも、よく使う記号や絵文字の候補が上に表示されたり、連続入力に対応したりと、細かい部分のブラッシュアップが図られている。
東芝端末といえば、「V301T」(2003年10月の記事参照)のリミットモードや、「J-T010」(2003年7月の記事参照)のポケットデータベース、辞書機能など(2003年7月の記事参照)、ユニークな付加機能が多いことで有名だ。
端末開発に当たっては、使いやすさと「買ってよかった」と思ってもらえる楽しさを重要視していると東氏。「例えば携帯電話を持つきっかけは、緊急用で渡された──というものかもしれない。ただここで、誰でも使えるシンプルモード2のようなインタフェースであれば、『ちょっとメールを使ってみようかしら』と思うかもしれない。それが面白ければ、『写メール、試してみようかしら』というようになる」
「ある決まったものを押し付けるのではなく、何かのきっかけで買っていただいたときに、『買ってよかった』と思ってほしいし、使い続けてほしい」という考え方が、他の端末とはちょっと違ったユニークな付加機能につながっているようだ。
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