きれいな発色、カメラ起動に課題〜「N900i」ケータイカメラ画質研究ラボ(2/3 ページ)

» 2004年03月12日 23時26分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 メガピクセルフォトモードの起動にかかる時間は約1.8秒ととても短い。メガピクセルフォトを実行したらすぐ撮影にかかれる感じで気持ちよく使える。

 起動したら画像サイズと自動保存設定をチェックしよう。自動保存設定はデフォルトではオフになっているが、オフになっていると撮影するたびに[シャッターを押す]-[3.5秒ほどで「保存しますか?」とダイアログが出る]-[保存するを選ぶ]-[「変換中です」と出る]-[保存先を内蔵にするかminiSDにするか聞かれる]-[miniSDを選ぶ]-[約3秒で保存完了]──と、煩わしい操作を強いられる。あらかじめ自動保存をオンにしておき、保存先を選んでおけば、10秒くらい待たされるものの、途中で設問に答えることなく自動的に保存してくれる。

 撮影時の細かい設定はシンプルで、明るさ調節、ホワイトバランス設定、撮影モード選択(風景、ポートレート、ナイトモードなど)くらいだ。ただ、だから不便かといえばそうではなく、むしろ余計な機能がない分、分かりやすい。

発色が良く、歪みも少ない「N900i」

 まず屋外の作例を見ていこう。既報の「P900i」(3月9日の記事参照)と同じ日に撮影を行ったので、比べて見ると面白いだろう。ここでは200万画素(1600×1200)のEXILIM S20で撮った画像を比較用に用意した。

 屋外で撮影。左がN900i、右がEXILIMで撮影した画像

 N900iは発色がきれいだ。少し青みがかってしまったEXILIM S20よりN900iのほうがナチュラルでいい感じに撮れている。これはなかなか注目すべきことだ。CCDが小さくてダイナミックレンジが狭いせいか、暗部の落ち込みが大きく不自然さもあるが、このソフトな感じは悪くない。

 輪郭のシャープさやディテールの描写力は、「少々無理をしているな」というところ。もっとも元々の画素数は100万画素であるし、本職デジカメのスーパーCCDハニカム採用機でも、発色はいいがディテールのしゃきっとした描写は得意ではないので仕方がないところか。それが気になるなら、1280×960ピクセルモードで撮影するというのも手だ。

 左がN900i、右がEXILIMで撮影した画像

 次は松の木とあずまやの写真を見てみよう。

 今度はやや青みが強めに出たEXILIMのほうが鮮やかな緑を見せてくれた。しかしN900iもリアルさという意味では悪くない。ただこうした構図の場合、解像感のなさやパンフォーカスであることがマイナスに働いて全体にソフトフォーカスをかけたようになる。

 しかし四隅の画質低下が少ないなど、レンズはなかなか優秀なようで、歪みもけっこう抑えられている。

 まっすぐなベンチを撮影。歪みが抑えられているのが分かる

 またパンフォーカスカメラの常として、得意な距離ではけっこういい絵を見せてくれる。

 1メートルほど離れた場所から撮影

 これは草を食む馬とそれを見ている子供の姿を1メートルくらいの距離で撮ったものだが、曇天下にもかかわらず色はなかなかきれいに出ている。このくらい大きく撮れば、多少ソフトフォーカス気味でも気にならない。暗部の偽色ノイズは出ているが、そう気にするほどのことでもない。

 最後はパンフォーカスカメラがあまり得意としないマクロモード。ピントの合う範囲が限られる上、屋外ではピントが合っているかどうか分かりづらいためきついが、このくらいは撮れる。

 マクロモードで花を撮影

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