加入電話の逆襲? 「固定→携帯」割安サービスを比較する(2/3 ページ)

» 2004年03月22日 20時32分 公開
[佐藤晃洋,ITmedia]

 料金だけ見ればパワードコム、フュージョン、C&W IDCが1分19円(3分57円)で追随しているが、パワードコムはサービスエリアが関東限定なほか、残る2社はいずれも事前申込が必要。全国で使え、かつ事前申込不要という点では、NTTコミュニケーションズが圧倒的に有利だろう。

 ただ、短時間の通話が多いユーザーに向いているのが、平成電電。他社のサービスでは課金単位がすべて60秒単位なのに対し、同社は課金単位が「30秒10円」のため、30秒以内に通話を終えた場合に割安になる。日本テレコムも10円単位の課金プランを用意しているが、平成電電の方が単純に安い。

IP電話側の追随値下げの可能性も?

 もう一つチェックしたいのが、IP電話発携帯着の場合との料金の比較。詳しくは表2を参照してほしいが、ドコモ向けに関していえば、NTTコムの料金はこれまで最も安かった「FUSION IP-Phone」や「POINT Phone」と肩を並べ、多くのIP電話サービスの通話料金を下回る。

 また、パワードコムやC&W IDCの料金も、「OCN.Phone」や「ぷららフォン」「ODN IPフォン」などと同じ水準。この点で、IP電話事業者の料金面での優位性は大きく薄れており、加入電話各社としては巻き返しを図りたいところだろう。

表2 IP電話→携帯の料金(平日昼間3分間)

サービス名 全事業者共通(円) 備考
FUSION IP-Phone 54 60秒単位
KDDI-IP電話 57 60秒単位
OCN.Phone 57 60秒単位
ぷららフォン 57 60秒単位
POINT Phone 54 60秒単位
ODN IPフォン 57 60秒単位
BB Phone 75 60秒単位
GATE CALL 60 60秒単位
eo-netフォン 66 60秒単位
コミュファはなしてフォン(CTC) 63 30秒単位
TOHKNet 57 60秒単位

 一方、逆の意味で突出しているのがBB Phone→携帯の通話料の高さ。表1と表2を見比べていただくと分かるように、実はドコモ向けに関しては、何も付けない場合の固定発よりも、BB Phone発の料金の方が高くなっているのだ(8時〜23時の場合。23時〜8時の場合は、60円/3分)。BB Phoneと、携帯電話の間の通話に関しては、今年2月より相互接続を開始した旨のアナウンスが行われている(ソフトバンクBBのリリース)が、その後に行われると見られていた通話料の引き下げは、まだ行われていない。各社の料金設定をうけて、ソフトバンクBBはどのような手を打ってくるのか。

 また、それ以外のIP電話事業者にとっても、IP電話→携帯の料金値下げが要検討課題となっている。固定→携帯の場合、2004年度いっぱいは経過措置として、若干割高な利用者料金の設定が認められているが、IP電話→携帯の場合は通常の相互接続の接続料が適用されるため、ドコモの場合接続料は2003年度適用のもので3分35.82〜45.36円(0.199〜0.252円/秒)となり、まだIP電話事業者側に若干の値下げ余地が残されている。現在、IP電話→携帯の料金は携帯キャリアに関わらず同じ料金というところがほとんどだが、この状況が崩れる可能性も考えられそうだ。

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