加入電話の逆襲? 「固定→携帯」割安サービスを比較する(3/3 ページ)

» 2004年03月22日 20時32分 公開
[佐藤晃洋,ITmedia]
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 固定→携帯サービスで、もう一つ特筆すべきなのが「同サービスはマイラインの対象外」という点。冒頭で触れた「固定電話発携帯電話着の料金設定に関する方針」では、“優先接続”の導入は見送られている(解説記事参照)。つまり、“固定→携帯サービスのマイライン化”はなく、ユーザーはいちいち「00XY」の事業者番号をダイヤルしなければならない。

 そうなると、気になるのは「これを期に、携帯着の通話限定でACR機能が復活するのでは?」という可能性だ。マイラインのスタート以後、すっかり廃れたかのように見えるACR機能だが、実際には今でもACR機能搭載の電話機は量販店に行けば普通に売られているし、「コミスタ」(NTTコミュニケーションズ)や「SuperACR2」(日本テレコム)など、着メロダウンロードサービスなどと一体化した形でサービスを継続している事業者もいる。

 もちろん、既存のACR搭載電話機が、090/080番号をダイヤルした際に事業者番号を付与するような機能に対応できるかといえばやや疑問は残るが、4月以降に発売するACR搭載電話機のソフトウェアをバージョンアップし、090/080番号に事業者番号を付与するよう対応を行うことは比較的容易だろう。また、現在はほとんどACRの売り込みを行っていないKDDIやパワードコムも、従来の加入者のサポートのために社内にACRの保守部隊は残されていることから、再びACR競争に参入してくることもそう難しくはないはず。そうなると各社とも、マイラインとはまた別個に再びACRで競争を繰り広げる可能性は少なくないのではないだろうか。

KDDIを始め、各社はどう動く?

 ただ、この原稿を書いている段階(3月22日)ではまだKDDIが固定発携帯着の料金を発表していないため、同社がどのような動きを今後見せてくるかは注目だ。

 固定電話と携帯電話を兼営する、唯一の事業者であるKDDIは、うかつに固定→携帯で安い値段をつけると、他事業者から携帯電話の接続料値下げを要求される可能性が高く、まわりまわって自分の首を絞めかねない。しかし、もし4月からサービスを開始するのであれば、そろそろ発表がないとサービス開始が間に合わない。当面は「au自宅割」のようなかたちで、固定→auの時のみ料金を安くする可能性も考えられるが……。

 また、NTTグループの料金が出揃ったことで、IP電話事業者も含めたNTTグループ以外の各社が、追随値下げに打って出るのか。4月1日のサービス開始まで、まだまだ目が離せそうにない。

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