ISMバンド【あいえすえむばんど】Mobile Keywords

» 2004年03月26日 11時43分 公開
[江戸川,ITmedia]

 ISMバンド(Industrial, Scientific and Medical Band )とは、産業(Industrial)、科学(Scientific)、医療(Medical)を目的とした機器が電波を利用するために定められた周波数帯域のこと。国内では、2.4GHz帯がISMバンドとして広く知られている。

 通常、無線の周波数帯は免許/届出がなければ利用することができない。しかし、2.4GHz帯では10mW以下の出力であれば、自由に利用できるよう開放されている。このため、電磁波を発生する電子機器などは、ISMバンドを利用することが多い。身近な例では、電子レンジなどがそうだ。

 Bluetoothや無線LANのIEEE802.11bなどの通信方式も2.4GHz帯を利用する。だが、ISMバンドで多くの機器が自由に使えることは、反面、ISMバンドで相互に干渉が起こりやすいという難点もある。Bluetoothのそばでは、無線LANの伝送速度に悪影響が出るといわれていたのも、このためだ。

 従って干渉のないデータ通信を行うのなら、ISMバンドを使わない無線LAN、すなわち5.2GHz帯のIEEE802.11aを利用するという選択肢もある。こちらは最大54Mbpsの通信速度を持ち、IEEE802.11bからユーザーが移行するのでは、と期待された技術方式。だが、同じISMバンドを使って最大54Mbpsを実現するIEEE802.11gが登場して、高速無線LANの主役の座におさまってしまった。

 802.11a以上に11gが普及している背景には、11bをベースとしたハードウェアの開発が容易であったことが一つ。また、5.2GHz帯はISMバンドではないため、免許を取得しなければ屋外で使えず、公衆無線LAN事業者が参入しづらいことなどが挙げられる。ただ、最近ではa/b/gの3つのモードに対応する無線LAN製品も増えてきた。

 ちなみに、ISMバンドには2.4GHz帯のほか、900MHz帯、5.7GHz帯などの帯域が指定されている。

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