似て非なる「N900i」と「P900i」──ソフトの違いを見る(3/3 ページ)

» 2004年03月30日 09時38分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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T9+読み予測変換の日本語入力

 日本語入力機能は1文字1キー入力のT9対応で( 2002年8月の記事参

)、トレンドの読み予測+次文節予測が利用できる。T9は、かな1文字を1キーで入力できる機能で、平文を入力する際にはかなりのキー操作を削減できる。読み予測との併用はできないが、次文節予測は有効に機能する。

 例えばT9で“うちあわせ”と入力したい場合、“あたあわさ”、数字キーで“14103”と入力すれば候補として表示される。過去の入力からの次文節予測も備える

 予測変換は、初期状態では予測辞書がなく、通常変換との使い分けが必要な点が気になる。N、Pともに予測変換候補の選択時は下キーを長押しするのだが(N900iではニューロポインタも利用できる)、使い込んで読み予測での変換が有効に機能すればするほど、長押し操作が面倒に感じられる。

 読み予測変換用の辞書は初期状態では用意されておらず、実際に入力した結果しか反映されない

 N900iでは前機種に比べてニューロポインタの使い勝手が向上しているが、自由自在に素早く候補を選択できるようになるには多少の慣れが必要になる。T9を使ってほしいという意図なのかもしれないが、他端末からの移行だと、まずは予測変換を使う人が多いだろう。

 T9はキー操作の手数を省く意味ではよくできた日本語入力機能だが、初期状態での人名や地名の変換、イレギュラーな日本語入力には弱い。話し言葉のようなざっくばらんな文章を入力するには向かない感もある。

 2つの強力な日本語変換を搭載しながら、いずれにも少しずつ難点を感じる──というのが正直な感想だ。一般化しつつある予測変換も、初期状態で予測辞書を搭載し、もっとシームレスに利用できるようなユーザインタフェースを搭載してくれれば、より多くの人に使いやすくなるのではと思えてならない。

 P900iは、カナ入力時の逆トグルが右側面のモード/ホームキーに割り当てられてられ、親指で操作できないのが難点。ぜひ改善してほしいと部分だ。

 カナ入力時の逆トグルは側面のホームキーを使う。N900iは左側面の高い位置にあるので、通常文字入力に使う左手親指でそのまま操作できるが、右側面中央辺りになるP900iは中指などで操作する必要がある。側面のキーはスクロールなどにも使えるが、やはりN900iのほうが使いやすい

無難な仕上がりだが、大きな進化は見られず

 N900i、P900iのソフトウェアはいかにも“N”的で、致命的な不満は感じない。良く言えば無難な仕上がりだが、悪く言えば「最新の900iシリーズらしい」大きな進化がない。

 アドレス帳などは保守的すぎるきらいがある。“あかさたな”のタブ式が最善とは言わないが、ここ数年で多くの端末が採用しており、N900iやP900iに機種変更すると違和感を感じる人は多いだろう。少なくともPDCの最近の“P”端末から移行した場合は、「退化」と感じるユーザーもいるだろう。

 先進的なハードウェアや個性的なデザインに対し、ソフトはクラシックな印象すら受ける。N900iについては従来の“N”端末ユーザーに違和感を与えないようにとの配慮もあるのだろうが、例えばデコメールの仕様を見ても、あまり積極的に利用したいとは思えない。この点はF900iやSH900iとはずいぶん異なるアプローチだ。

 N900iとP900iは、アドレス帳やメール機能などの基本部分には共通点が多い。しかし細かな使い勝手ではN900iが勝っている印象を受ける(カメラ周りの使い勝手はまた異なるので注意が必要)。N900iとP900iで購入を迷っている人は、デザインやハードウェアの違いに加え、こうした点も気に止めておくといいだろう。

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