日本語入力は読み予測と次文節予測を備える。読みの入力と同時に読み予測による変換候補が表示され、下キーを押せば予測候補を選択できる。初期状態でも予測変換だけで実用的な日本語入力が行える予測辞書が登録されており、固有名詞や珍しい地名、人名の入力以外では一般的なカナ漢字変換(SH900iでは音訓変換)を利用することは少ないだろう。
アルファベットや数字がシームレスに入力できるのも特徴的だ。例えば「123」と入力したければ、カナ漢字変換モードのまま数字キーの「1」「2」「3」(かなで「あかさ」)と入力し、右ソフトキー(カナ英数)を押せばいい。英字も同様で、「itmedia」と入力したければ英字入力のつもりで入力し、右ソフトキーを押す。日本語の文章に少し英数字が混ざる、といって文章の作成では非常に効率よく入力が行える。
デコメールは先に装飾を決め、文字を入力していく点は先行した900iシリーズ3モデルと基本的には同じ。ただしサブメニューから[デコレーション]を選択すると、画面下部にパレットと呼ぶ3×4のメニューが表示され、複数の文字装飾、画像の挿入などを数字キーと連動で行える。
今回は音声通話やメールといった今時の携帯電話の基本となる部分に触れてみた。基本的な操作系はSH505i/iSを丸々継承しており、独特の部分こそあるが使い勝手は良好だ。少なくともPDCのSH端末から乗り換えれば、ほぼマニュアルなしで使いこなせるだろう。
一方、FOMAらしさもあまり感じられない。つまりSH505iSからあえて乗り換えるメリットも感じないのだ。写真に関しては、相手がドコモ端末の場合、結局実質は「iショット Lサイズ」までしか送信できず、PDCに対するメリットも感じない。もっともこれはFOMAのiモードメールの仕様が悪いのだが(4月12日の記事参照)。
もちろんテレビ電話、動画の送受信(iモーションメール)、大容量化したメールといったFOMAの仕様、パケット料金の割引、大容量のゲームなどFOMAならではのメリットが享受できないわけではない。これらにメリットを感じるかどうかが、PDCからSH900iに乗り換える判断基準になるだろう。今回見てきた部分に限れば、魅力的なFOMA端末というよりは、魅力的な携帯電話というのが正直な印象だ。
次はテレビ電話、カメラ機能の撮った後、SH900iの端末機能としては大きな特徴となるデータビューワに触れてみたい。
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