Nokiaなどが確固たるブランドを築き、3000元程度(約4万円)と比較的安価な価格で端末を提供しているところへ、NECは日本流のハイエンド端末を8000元前後で投入した。しかし、これは思ったような成果をもたらさなかった。
そこで巻き返しをはかるべく、改めて技術の粋を集め、斬新なデザインを打ち出したのが上記の2端末となる。「中国のユーザーにNECはすごい、というイメージを持ってもらう必要がある。ハイエンド端末を指向する流れもできつつある」(同)。
実は、NECにはもう1つ追い風となりそうなイベントがある。中国の通信インフラとしてW-CDMAがトライアル段階に入ったことだ。
会場では、香港などで既に提供されているNEC端末「c616」(2月6日の記事参照)や、「c313」(2月18日の記事参照)も展示されていた。「3Gになってしまえば、NECが強い」(Kawada氏)。NECは早くから3G携帯の普及を目指し、上海に「COSMOBIC Technology」を設立している(2002年6月3日の記事参照)。
NECはまた、ハイエンドだけでなくミドルエンドの端末にも意欲的だ。たとえば、新発売の「N7xxシリーズ」こと「N718」と「N710」などがこれにあたる。「スペックはそれほどでもないが、デザインを重視した若者向け端末だ」(Kawada氏)。
NECは2002年に、中国市場に1機種の端末しか投入していなかった。しかし、2003年は6機種に拡大。「2004年は、20機種以上をリリースする」(同)としている。
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