続いて室内の写真を見ていこう。最初は蛍光灯下の写真からだ。
まずフルオートで撮影した蛍光灯下の写真だ。赤系の色を見ると分かるように若干ノイジーではあるが、彩度は高くて鮮やかなのはいい。
次は白熱灯下での写真。なかなかきれいに補正されていて、色のバランスもいい。カメラ付きケータイのようなレンズが小さいカメラだと、ある程度近距離の撮影のほうがいい結果が得られる。
そしてロウソク編。最初はフルオート、高感度、超高感度の3つから。
フルオートと高感度が同じ結果なのは(どちらもシャッタースピード0.4秒)、たぶん暗すぎてフルオートのほうも自動的に高感度になったからだと思われる。フルオートもかなり暗いところまで追従するのだ。これが有効なのは、感度アップしなくても撮れるが、少しでも感度を上げることでシャッタースピードを上げたいという場合か。
超感度アップは見ての通り、感度を上げることでシャッタースピードを上げる、というより、モノクロにすることで真っ暗に近いところでもなんとか画像を捉えようというモードのようだ。
夜景モードではシャッタースピードが1秒まで落ちる。
次はピクチャーライトを点灯させて撮影してみた。従来比で約6倍以上の明るさを確保したという明るいライトだ。撮影の瞬間、強く点灯する。
最後に豊富なシーンモードから、いくつか取り上げてみよう。
これはグルメモードを使って撮ったカレー。やや彩度が高めでいい感じに撮れている。
これは絵画モードと版画モード。こういう特殊エフェクト系のシーンもいくつか用意されている。
D506iは他にも面白い機能をいろいろ持っている。
まずはデジタルズーム。2Mピクセルモードでもデジタルズームは効くが、撮影してみると5倍ズームにしたときは320×240ピクセルで記録されていた。要するに中央部を切り出しているだけなのだが、ケータイの画面で見る分にはこれでも別に問題はないし、トリミングして大きく見せる手間も省けるのでなかなか面白い。
2番目は音声シャッター。あらかじめシャッター音に使いたい音(というか「声」)を録音して登録しておくと、その声に反応してシャッターが切られる。これは実際やってみるとなかなか面白い。認識率はけっこう高く、手ぶれを防ぐこともできるし、カメラをどこかにちょこんと置いて自分撮りをするときには便利に使えそうだ。なお、あまり距離が離れるとシャッターは切れず、使えるのはせいぜい50センチくらいまでだ。
D506iを画質面で見ると、やはり小さなCCDに小さなレンズという制限があって、コントラストが高くホワイトバランスを合わせにくい構図ではつらく、構図によっては派手に白トビすることがある。特に晴れた屋外はきつい。逆にコントラスト差があまり出ない室内で鮮やかなものを撮ると、実にきれいに仕上がる。
ディテールの描写力や記録時間の問題もあるので、ここはある程度割り切って、記録時間も比較的短くて済む960×1280ピクセルモードのカメラとして使うくらいが一番いいだろう。それならなかなか快適に使えて楽しい。何より、レンズカバーを開くとそのまま撮影できるというデジカメライクな操作性が楽しいのだ。
惜しむらくは、豊富な撮影モードを生かしきれていないこと。撮影モードはメニューの下の方にあり、切り替えるのに押さねばならないボタンの回数が多い。いろんな撮影モードを楽しむという方向性は悪くないので、もっと気軽にモードを変えながら撮れるようになってほしいところだ。
それでも「デジカメスタイル」を追求してここまで進化してきた点は素晴らしい。撮ることを積極的に楽しむケータイとしては最右翼だ。
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