グローバルパスポート端末は国内用に加え、海外用の受信回路を搭載する必要があるため、ただでさえ「詰め込むのはしんどい」(技術管理部の川崎秀次氏)。A5505SAには国内CDMA用(800MHz)と海外CDMA用(800MHz)、1.9GHzのPCS用と受信回路が3系統あるうえ、電子コンパスの地磁気センサーやUSBポート、FMラジオチューナー、メガピクセルカメラが装備されるため、部品のレイアウトには苦労が多かったという。
「端末の周囲にキーやソケットがたくさんあるので、正直、レイアウトは難しかった。カスタムで起こした部品もあり、例えばイヤホンジャックは普通の基板に実装できなかったので、特殊なものを作っている」(テクニカルエンジニアリングBU ベースバンド一課 西村理氏)
ダイヤルキーの中心部下あたりに入っている電子コンパス用地磁気センサーも、周囲に金属や磁石などの部品があると影響が出るので、配置を工夫した。その精度も、「速く追従しすぎると、ちょっとした磁場の影響も検知してしまう。そのまま表示させると示す方角がなかなか安定せず、正しい案内ができない。フィールドテストを繰り返して最適なところを見つけて調整した」と自信を見せる。
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三洋電機が想定するA5505SAのターゲットは、海外を飛び回る若いビジネスマン。国内はもとより海外でも使いやすいように、どこの国にいても国際電話を簡単にかけられる「国際プリフィックス機能」も装備した。「電話をかけるときに、かける先の国を指定すれば、国際アクセス番号と国番号が一気に入る。これで簡単に国際電話をかけられる」(湯山氏)。
また従来端末では「エリア設定」-「VOCODERの設定」-「システム設定」という手順が必要だった米国での利用も、エリア設定を行うだけで済むようになった。
英和辞書/和英辞書や発音もしてくれる会話集(5月7日の記事参照)、ボイスレコーダ機能など、ビジネスマンに役立つ機能を装備したこの端末は、海外出張の頼もしい相棒になってくれそうだ。
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