不採算部門はどうするのか、新しい技術に対するアプローチは、海外進出はどうするのか──。記者たちの質問に中村社長が答えた。
Q 赤字のPHS事業をどうする?
A (PHSの)音声の分野については、新端末を導入しないと既にアナウンスしている。
ただ、インターネットのデータ通信については、FOMAで定額制はまだ難しい。少しスピードは遅いが安ければいいというユーザーもいるので(定額でインターネットつなぎ放題が可能な)データ通信分野では、まだPHSが重要だと思っている。現時点でPHSは、データ通信を中心に進めていこうと考えている。
Q プッシュ・トゥ・トーク、ケータイのフルブラウザ化は
A (プッシュ・トゥ・トークには)大きな関心がある。あれだけ米国で成功しているので、法人ユーザーを中心とした使い方として魅力あるサービスだと思っている。いつ、どうするかについてはまだいえないが、方向としてはやりたいと思う。
(携帯のフルブラウザ化については)、検討段階にない。そういった話は出ていない。
Q 海外戦略はどうなる
A 1つはiモードという切り口でものを考えていく。資本的な参加はしていないが、ロイヤリティ収入や、iモードユーザーからの収入の一部をいただきながらやっていく。
また、“3Gのiモード”という形の中でやっていくことによって、ある意味では(端末など資材の)共同調達の道も開けてくる。
モバイルの周辺部分、例えば本日発表したタイのデジタル地図会社への出資のように(6月21日の記事参照)、モバイルマルチメディア周辺のビジネスも、1つの新しい分野ではないかと思う。
本来の投資という面では、アジアを中心に考えていきたい。3Gがどういう方向に向かうのかよく分からないので具体的な話にはならないが、アジアに大きな関心がある。もちろん中国などはなかなか難しいが、どういう形でアライアンスを組めるのかを検討している。
Q ドコモは世界の先端企業であり続けられるのか
A 携帯は、どんどん進化していて、いろいろな使い道が出てきている。今までは、「面白い、楽しい」という切り口でやってきたが、FeliCaを出したことによって、「生活に役立つ」という切り口が、この先開けてこないだろうか──というのが我々の考えで、FeliCaがその第1陣になる。これは、世界に例のない切り口だ。
しかしFeliCaも、技術は半年くらい先行しているだけで、キャッチアップされるのも早い。こうした競争は常にあると思って前を向いて進んでいく。ユーザーが何を望んでいるのか、どんなものが生活に役立つのか──という視点でやっていきたい。
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