NTTドコモはFOMAのiショット機能を7月1日から改善する。ムーバやFOMAに向けて画像付きメールを送信する際の画像サイズを、従来の約10Kバイト(10000バイト)から最大100Kバイトに拡大する。
ただし10Kバイトを超えたサイズの画像は、FOMA宛でも添付ファイルではなく画像が保存されたURLが送信される。また送信先メールアドレスのドメイン部を「@p.docomo.ne.jp」に変更する必要がある。
閲覧時は画像サイズが変換される。FOMAの場合は20Kバイト以下、ムーバの場合は8Kバイト以下となる。URL送付を利用することで、FOMAの10Kバイトという受信制限も回避した。10Kバイト以下の画像は、従来通りFOMA宛なら添付画像として送信される。
第3世代携帯電話の特徴の1つは、大容量のメール送受信が可能なことだが、その制限は各社まちまちだ(4月12日の記事参照)。
キャリア | 送信可能ファイル容量 | 受信可能ファイル容量 | 受信可能文字数 |
---|---|---|---|
ドコモ・FOMA | 100Kバイト(iモード向けの場合最大10K) | 約10Kバイト | 5000文字 |
KDDI・CDMA 1X | 100Kバイト | 100Kバイト | 5000文字 |
KDDI・1X WIN | 150Kバイト | 150Kバイト | 5000文字 |
ボーダフォン・VGS | 200Kバイト | 200Kバイト | 1万文字 |
各社の3Gサービスを比較すると、特にFOMAの送受信容量が小さいことが分かる。
カメラの高画素化やパケット定額制の普及に伴いメガピクセルサイズの画像を送受信するニーズも増加している。しかしファイルサイズが100Kバイトを超えるため、送受信は一部機種のみが可能な状況だ。FOMAに至ってはQVGAサイズの画像の送受信も難しい。
今回のサイズ制限緩和は、表中の「iモード向けの送信が最大10Kバイト」を改善するものだ。PC向け送信と同様に100Kバイトまでの画像付きメールが利用できるようになる。
ただしこれは本質的な改善とはいえない。KDDIやボーダフォンのメールシステムでは画像は添付ファイルとしてやり取りされる。対してFOMAは画像をいったんサーバにアップロードし、そこからURLを相手に送信する仕組みを使ったからだ。
送信先アドレスのドメインを変更しなくてはならないなど、操作が複雑なのも問題だ。本来ドコモ同士であれば、ドメインを付加せずにメールの送受信が可能だが、大容量メールを送信するには「@p.docomo.ne.jp」を付加しなくてはならない。
URL送信によって受信可能ファイル容量の10Kバイト制限も回避し、20Kバイトの画像がダウンロードできるようになったが、ドコモ自らが自社のメールシステムの裏をかいて機能を付け足ししている印象は拭えない。
そもそも、送信先によって、また送信か受信かによって添付可能容量が大きく異なることがユーザーの混乱を招いている。小手先の改善ではなく、メールシステムの本質的な見直しが求められる。
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