先日紹介した「P506iC」のカメラ機能もなかなかよかったが、「SH506iC」もすごい。さすがシャープ端末という出来だ。特に注目すべきはディスプレイをひっくり返したビューワモードでの操作性改善である。
これが基本の状態。小さな1行だけのサブディスプレイがある |
SH506iCのカメラは背面のヒンジ近く。かなり端に付いている。位置的には使いやすい場所だ。レンズはF2.8固定で焦点距離は5.2ミリ。CCDサイズが公表されていないのでなんともいえないが、撮った感じでは画角は35ミリ相当くらいでなかなか扱いやすい。そしてオートフォーカス付きである。
ディスプレイは「V602SH」で採用された回転2軸式で、液晶を反転させる(ビューワモード)ことが可能だ。デジカメスタイルでのヨコ撮り時にメインディスプレイの2.2インチ大画面を使えるという、最近流行の方式である(7月16日の記事参照)。その代わり、サブディスプレイは1行のシンプルなものになった。それでも時刻や着信の確認にはあったほうがいい。
ディスプレイをひっくり返したビューワーモードで大画面デジカメとして使うときは、側面にあるシャッターボタンの長押しか、ディスプレイ下にある右ガイダンスボタンを押す。このボタンは開いているときの「カメラボタン」と一致しているので、これでもカメラモードになるのだ。なかなか素早い起動ができていい。
ディスプレイの表示はビューワモードでも縦位置表示のままだ。その代わり、ディスプレイをひっくり返して閉じた状態でも一通りの操作ができる。それがSH506iCの面白いところ。
ディスプレイの下には左ガイダンスボタンと右ガイダンスボタンがあり、これがディスプレイの左下と右下に現れるガイドに相当する。(縦位置で持ったときの)左側面には、クリアボタン、楕円形の四方向ボタン、そして決定ボタンがある。そのおかげで基本的な操作は端末を開かなくてもできるのだ。
撮影時はヨコ位置で持つため、撮影設定をするときは縦位置に持ち替えねばならないが、そのくらいは大した問題ではない。開いていても閉じていても基本操作ができる端末は非常に少なく、側面にも四方向キーを用意してしまうというアイデアは希少なのだ。しかもけっこう使いやすい。左手で端末を握り、画面を見ながら左手親指で操作するのはなかなか快適だ。
撮影時にはシャッターボタンを押すのだが、これは半押し対応。半押しにしてピントを合わせ、最後まで押し切ると撮影される。デジカメ風のつくりだ。
面白いのは、反対側にあるサイド決定ボタンでもシャッターを押せること。開いているときは決定ボタンがシャッターボタンとして動作するので考えてみれば当たり前だが、閉じているときの2つのシャッターボタンが使えるのはちょっと不思議な感覚。
開いているときは四方向キーや決定ボタンに加えて各種ショートカットやAFボタンの利用が可能になる。
撮影機能は明るさ調整や画像サイズ・画質の調整、セルフタイマーくらいで非常にシンプル。だがシーンモードが充実している。オート、人物、夜景、夕焼け、逆光、ペットなど全部で10種類。「撮影モード切替」→「シーン別撮影」と1つ深い階層にあるのが難点だが、2つまでオリジナルモードを記録しておけるので組み合わせればけっこう便利に使えるだろう。開いているときは、8を押せばオリジナルモードをすぐに呼び出せる。
AFは標準、人物、風景、接写、マニュアルと4パターン。風景時はフォーカスが遠景に固定されるので、AFの時間を気にしないで撮影可能だ。数メートル以上先のものしか撮らなくて、シャッターチャンスが重要なときはAFを風景にしてしまうのが賢い手だろう。
撮影画像サイズはiショットや待ち受け画面サイズを除くと、VGA/XGA/2Mピクセル(1224×1632)の3パターンと非常にシンプル。画像はヨコ撮り時だろうが開いて縦位置で撮ったときだろうがすべて縦位置で記録される仕様だ。
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