8月26日から29日まで、台湾・台北にてTaipei Telecom 2004が開催された。台湾はGSMとCDMA2000、PHSがサービスされており、まもなくW-CDMAも開始予定。またiモードも採用されているなどアジアの中でも非常にアグレッシブな市場だ。今年も各社、注目すべき展示が豊富だった。
年初にKG Telecom(和信電訊、KGT)とFar EasTone(遠伝電信、FET)が合併したため、今年から両社はFETのみの出展となった。
台湾ではKGTがiモードサービスを提供していることから、FETのブースでiモード関連の展示が豊富。台湾のiモードユーザー数は、今年5月に20万人を超えている。待望のDoJa(iアプリ)対応の「NEC N630i」が発売されたことから、ゲームのダウンロードサービスも大きくアピールされていた。
一方で従来からFETが提供しているWAPサービスも「PLAY」として同時に展示されており、Javaゲーム体験コーナーでは片やKGTのiモード、片やFETのWAPと、2社の合併の過渡期を感じさせる。来訪者はひっきりなしにデモコーナーを訪れており、コンテンツ関連サービスに強いFET、という印象を与えていた。
なお日本のドコモ現行端末や、iモードFeliCaのデモなど、日本の最新情報は台湾でも注目の的で、来訪者がひっきりなしに係員に質問していた。
中華電信ブースでは、欧米でサービスが開始され人気となっているPush to talk over cellular(PoC)のデモが行われていた。PoC対応のMotorola「V303p」、「Nokia 5140」では、専用ボタンを押すことで相手をダイレクトに呼び出し可能。最大20人を同時に呼び出せるという。来月サービスイン予定で、料金も通常の通話料より安価にすることで、PHSへ対抗すると見られる。
台湾大可大ではルーレットなどのカジノを置いて客引きに余念がなく、正面では派手なダンスショーなどがひっきりなしに行われていた。シェアトップの中華電信、合併でユーザーの増えたFETから顧客を奪うために、とにかくブースに客を呼ぶ、という展示に終始していたようだ。各キャリアとも、ブース内でその場で新規契約や端末購入ができるようになっていた。
台湾で現在唯一、CDMA2000 1X方式で3Gサービスを展開中のAPBW(亜太行動寛頻電信)は、コンテンツ配信サービス「Qma」の展示が中心。端末を数十台並べて来訪者に高速な3G回線を実体験させていた。APBWは最後発の事業者であり、また端末の種類が数機種と少ないことからユーザー獲得に苦戦しているようで、期間中は端末の大幅割引キャンペーンも行われていた。
今年末にサービスを開始予定のVIBO Telecom(威寶電信)は、SamsungやLG、京セラなどのCDMA2000 1X端末を20台ほど展示した。うち10数台はコンテンツ配信サービスのデモとして自由に触れられる。端末は韓国KTFや米Verizonのものをそのまま持ち込んでおり、一部はまだローカライズがされていなかったが、端末のバリエーションが豊富なことで来訪者の注目を浴びていた。
日本スタイルの2つ折り・カラー液晶端末が人気の台湾のPHS。GSMに対して通話料金の安さや端末のコストパフォーマンスの差も大きなアドバンテージだった。
しかし最近ではGSM端末でも小型カラー端末が増えてきており、価格も下がってきている。一方でPHSのエリアの狭さをカバーするために登場したGSM/PHSデュアル端末「G1000」は価格が高く、PHSとGSMとの差別化は、端末ではなく料金そのものになってきているようだ。事実、昨年はPHS端末とGSM端末を比較し、PHS端末の優位性を全面に押し出していたが、今年はGSM通信事業者よりも通話料金が安いことを大きくアピールしていた。
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