台湾で開始間近なW-CDMAサービスTaipei Telecom 2004(2)

» 2004年08月31日 00時56分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 台湾の通信事業者のうち、APBWは2003年からCDMA2000方式で3Gサービスを開始しており、年末にはVIBOが同方式で新規参入予定となっている。既存のGSM 3事業者もW-CDMA方式での3Gサービスインを今年から来年に計画しており、各社ブースでは実機を使ってのデモが行われていた。

 デモの内容は、テレビ電話、ビデオストリーミング、ライブカメラなど。

 中華電信を除く2社では来訪者が端末を自由に操作することができた。このうちビデオストリーミングのデモでは生放送のテレビを放映することで、高速データ通信のメリットを説明していた。またテレビ電話のコーナーでは、説明員とテレビ電話をしながら細かく質問をしている来訪者が目に付いた。

 中華電信ブースでは、Nokia7600でテレビ放送とライブカメラ映像を流していた。端末はケース内のため操作はできなかったが、電波はきっちりと3Gをつかんでいた。

テレビの生放送や街中の道路の渋滞状況をリアルに流していた

 台湾大可大では「行動視訊千里眼」というキャッチフレーズで、携帯電話1台で生活が便利になる、という案内を行っていた。PCにつないだWebカメラを通じて室内の様子を見たり、PCとW-CDMA端末でリアルにテレビ電話をするデモに人気が集まっていた。今年中に先行サービスも予定されている

エンターテインメントではなく「生活に便利・安心」をキーワードにライブカメラを紹介
Motorola A835の画面。ライブカメラや、テレビ放送をストリーミングで見ることができる

 Far EasTone(FET)もほかの2社と同様の展示だが、同社のみがPCカードタイプのW-CDMA端末をノートPCに挿入してデモを行った。企業向けへのサービスにも力を入れるという。欧州でも、音声端末に先駆けてデータ通信専用端末でW-CDMAをサービス開始する事業者が多く、企業向けとしての高速データ通信サービスは一定の需要がある。

FETもMotorola端末を使ってレビ放送やライブカメラをデモ。またMERLINのW-CDMA/GSM(GPRS)デュアルPCカードを用いたデモも行われていた

 各社ともデモで示した通り、本サービス開始後もテレビ放送サービスが行われる予定。W-CDMAが先行する隣の香港では、ビデオストリーミングの課金は時間課金またはコンテンツ単位課金であり、パケット量を気にせず気軽に閲覧できる。台湾も同じ課金方式が採用されれば、W-CDMA端末でのテレビ視聴普及に弾みがつくだろう。

 またバイク・車社会の台湾では、道路の渋滞情報は実用性が非常に高い。各社のデモでも、テレビ放送よりも道路の渋滞情報のほうが来訪者の注目度が高かったようだ。主要道路や交差点の混雑状況をリアルに見ることができるようになれば、ライブカメラの利用が増えるだけではなく、実社会での朝夕の道路混雑が改善されるようになるかもしれない。

 これら3社のW-CDMAがすべて出揃う来年には、PHSを除く全事業者が3Gサービスを提供することになり、台湾も3Gの時代がやってくることになりそうだ。

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