携帯リサイクル阻む、情報漏洩?

» 2004年09月03日 19時02分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 携帯キャリア各社は「モバイル・リサイクル・ネットワーク」を設立し、携帯電話機のリサイクルを進めているが、現在の回収率は24%。しかも年々低下傾向にある。

 各社のキャンペーンにも関わらず、リサイクルを阻む理由は何なのか。社団法人電気通信事業者協会(TCA)などが行った調査によると、「電話帳として」「コレクション」「データのバックアップ」などが挙がっている(6月22日の記事参照)

 しかし理由はこれだけではなさそうだ。

個人情報の漏洩が心配──39%

 ネプロジャパンとネプロアイティが行った調査によると、リサイクルを行わない理由の第2位は「個人情報の漏洩が心配だから」(39%)だった。

調査は8月12日〜13日、携帯3キャリアの公式サイト「ザ★懸賞」上で行われた。有効回答数は5525名

 同社が調査対象としたのは、携帯3キャリアの懸賞サイト上。内訳は、男性38%、女性62%、20代46%、30代38%となっている。このうち、実に約4割が携帯からの情報漏洩を意識している。

 リサイクルを考えると使用済み携帯電話を返却したほうがいいことは、80%のユーザーが認知している。しかし、上記のような理由によりリサイクルが阻害されている。

 持って帰った電話機は、持ち帰って保存するユーザーが6割と過半数だが、「持ち帰って捨てる」と答えたユーザーも4%いた。

求められる? データを「完全消去」する方法

 情報漏洩という観点で見ると、携帯ほど個人情報が詰まったものはほかにない。アドレス帳などには、他人の個人情報も詰まっている(9月10日の記事参照)。そして、その個人情報をきれいに消すことの難しさが、問題を複雑にしている。例えば「N900i」や「P900i」などはアドレス帳を一括消去できない。

 「おサイフケータイ」に代表されるように、FeliCa内蔵が進むことで、別の貴重な情報も格納されることも考える必要がある。iモードFeliCaサービスの1つ、電子マネー「Edy」は、携帯解約後も電子マネーが利用できてしまう。

 情報漏洩を考えた場合、“データを消す”ことができるかどうかも重要になっていきそうだ。

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