デジカメとしての期待は禁物〜「W21K」ケータイカメラ画質研究ラボ(3/3 ページ)

» 2004年09月08日 11時40分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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室内編

 そんなわけで、室内編の作例も過去の記事と比較しやすいよう、いつもとシチュエーションで撮っているのだが、おかげで手前にある小物はみなピンボケになってしまった。だからといって撮り直すのもアレなので、そのまま掲載する。

 これは蛍光灯下での撮影。蛍光灯の緑かぶりがかなり入ってしまったのが残念。ホワイトバランスを蛍光灯にしてもあまり差はなかったので、こういうクセが出てしまうのだろう。

 次は白熱灯下だ。

 白熱灯といっても写真用の強力なライトを当てているのだが、それでも光量が足りないのか、暗部に派手に縞状のノイズが乗ってしまった。これも低価格なCMOSセンサーの特徴で、感度が低く、増感しようとするとこういうノイズも一緒に増幅されてしまうのだ。また、全体に色味が浅いのはしょうがないとして、赤色がかなり紫っぽく転んでいるのも気になる。

 次にロウソクの灯り。

左は「ライトなし」、右は「ライト点灯」

 ライトなしではシャッタースピードが1/7秒でほとんどロウソクしか写らなかった。おそらく無理な増感はせず、ノイズが目立たないところで止めているのだろう。

 ライトをオンにしたほうではさらにシャッタースピードが遅くなり、なんとか全体が撮影できた。縞状のノイズや偽色ノイズが派手に乗っているが、なんとか撮れている。

 ちなみに夜景モードは用意されていなかった。また近距離ではピントが合わないので近距離作例もなしである。

CMOSセンサーをつかうのであれば……

 今回はマクロモードやシーンモードがないため作例が少ないが、だいたいの感じは分かったと思う。1〜2年前、CMOSセンサーが当たり前だった頃(30万画素が主流だった頃はそうだった)の画質を思い出させてくれた。

 つまるところ、W21Kはデジカメとしての利用を期待して買うケータイではないということだ。その分低価格でシンプルなわけで、そちらを評価するべきだろう。

 ただ個人的に思うのは、それなら無理にメガピクセルのCMOSセンサーを使わなくても、35万画素でVGA止まりでもいいんじゃないかということ。おそらくはそのほうが高画質で扱いやすいカメラ機能になるんじゃなかろうか。

 筆者は現在2Mピクセルカメラ付ケータイを1台と、メガピクセルカメラ付ケータイを2台持っているが、どれもVGAモード以下でしか使わない。きれいなVGAサイズ画像が撮れればそれでいいのだ。そういう方向へ振ったほうが潔かったのではないかと思う。

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