通信館のスタッフに声をかけ、ポイント移行の手続きをしてもらう。これまで使っていたプラスチックのヨドバシカメラポイントカードとおサイフケータイを差し出すと、「こちらを読んで、サインしてくださいね」と、A4の確認書を渡された。
「どうやってポイントを移行するのかなぁ」とワクワクしていると、スタッフはおもむろに内線電話をかけ、電話の相手にこういった。「ポイントの移行お願いします。お名前は……」。“専用端末を使って移行するんじゃないんだ、結構アナログな世界だなぁ”と思ったりする。しかし個人情報で照会してもらったおかげで、すっかり忘れていた同店のポイントカードの存在が明らかになった。その中に入っているポイントもおサイフケータイへと統合してもらえた。放っておいたらムダになるところが救われたのはうれしい。
無事にポイントの移行も終わり、あとはヨドバシカメラのiアプリをダウンロードしてもらって──という流れを予想していたが、スタッフが目の前に差し出したのはプラスチックのポイントカード。「FeliCa携帯と併用の新しいポイントカードを発行しますので、こちらにお名前、住所、連絡先を記入してください」。え! プラスチックのカードも新規で発行されるんだ。おサイフケータイひとつじゃダメなの!?
よくよく聞けば、「レジにFeliCa携帯リーダーがあるので、おサイフケータイだけでもポイントの利用や蓄積は可能。でも、今回新規で発行したプラスチックのポイントカードだけでも従来通り(つまりおサイフケータイがなくとも)利用できる」のだという。ヨドバシカメラのポイント情報は、FeliCa端末そのものに蓄積されているのではなく、サーバ側で一括管理されている。端末にはIDのみが記載されており、従来のポイントカードと何ら役割は変わらないのだという。
えー、そしたらおサイフケータイの存在する意義はどこに!? ちょっと半端な感じの対応について、ヨドバシカメラ(広報)は、次のような理由を挙げてくれた。
1)FeliCa端末リーダーが全レジに設置されていない
全店舗・各フロアには設置されているが、場所によってはフロアに1台しかないところもある。混雑時にお客を待たせないための措置。
2)FeliCa端末が十分に普及していない
おサイフケータイが発売されてからまだ日が浅い。顧客の利便性を考えて、さらなる展開に持って行きたいとは思うが、正直そこまで考えが及んでいない段階。
うーむ、ショップ側も悩みつつ、ぼちぼち対応を始めた──という感じですかねぇ。
ヨドバシカメラのスタッフが念を押していたのは、FeliCa端末を紛失してしまった場合の対処法だ。そのままにしていれば、誰かが拾った際にポイントが使われてしまう。まずは「ヨドバシカメラに」電話してケータイを紛失した旨を伝え、ポイント利用をいったん止めること。新たなFeliCa端末を購入後、改めて店頭にて再発行の手続きを取ってほしい──と念を押された。
さまざまな店舗のポイントがおサイフケータイにまとめられるのは確かに便利。しかし紛失などのトラブル時には、iモードFeliCaサービスを提供している各ショップに連絡しなくてはならないし、機種変更時にも、サービスの移行作業をそれぞれ行う必要がある(8月25日の記事参照)。あ〜、考えるだけで面倒くさいこの状況、なんとかならないかな。
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