もちろん、最初からフォト画質を「メールモード」に設定して撮影すれば添付できるのだが、画質も相応に落ちる。
SXGAのまま再圧縮する機能があれば、SXGAのフォト画質ファインモード、つまり最高解像度の最高画質で日常的に撮りっぱなしにしても、Eメール添付に一切困らない――という使い方ができる。次のモデルでの対応に期待したい。
Eメールは、送信元アドレス、アドレス帳グループ、ドメイン名などで振り分け可能。さらに件名の部分一致でも、自動振り分けできる。送信元では振り分けられないメーリングリストなどを受信する人には便利だろう。実際に受信したメールの件名を引用した設定も可能で、設定後に手動で再振り分けもできる。
件名での振り分けが可能。auでは件名で振り分けできる端末は少数派で、貴重だ |
日本語入力は、「ATOK for au」+「APOT」。読み予測変換、次文節予測を備え、読みの入力に合わせてリアルタイムに候補が表示される。読み予測変換を優先して利用するタイプで、読み予測変換用の辞書も最初から豊富に登録されている。変換候補表示の遅延や、キーの取りこぼしを感じたことはなかった。
絵文字も、EZwebキーを押すだけで一覧表示されるタイプで、連続入力に加え以前に選択した文字を優先表示する機能もある。文字入力に関しては、特に不満はなかった。
写真は、全く学習していない状態。次文節予測の辞書も、最初から豊富に準備されている |
付加機能として便利なのがカレンダー機能だ。1カ月、2カ月、6カ月の表示が可能で、1カ月、2カ月表示ではスケジュール、タスクの有無が確認できる。1カ月ではフォーカスした日のスケジュール、タスクリストの件名まで同時に確認可能。待ち受け画面のカレンダーにもスケジュール、タスクの有無が反映される点は便利だ。
面白いのは、サムネイル表示機能。カレンダーとしては1カ月表示になるが、画面の下半分が3件ずつのサムネイル表示領域となり、フォーカスしている日に撮影され内蔵メモリに保存された画像や動画がサムネイル表示される。「*」キーで移動すると、その場で再生も可能だ。
miniSDカードに保存された画像、動画が反映されないのは残念だが、日常から気にとまったことを本体メモリに写真として保存しておけば、日記代わりに使えそうだ。
W22Hは、auにとっても日立にとっても初のスライドデザイン。常時露出するディスプレイ+スライドのメリットをしっかり活用しているし、プライバシーへの配慮も忘れていない。不満点がないわけではないが、初物の完成度としては十分高く、折りたたみ型から移行しても大きな不満を感じることはないだろう。
操作性で若干気になったのは、ディスプレイ側のキーとテンキーのタッチの違いだ。ディスプレイ側キーのストロークが深いのに対し、テンキー側はキータッチが今ひとつ。また、スライドケータイにはありがちだがテンキーの縦のキーピッチが少々狭い。常に数台のケータイを使用している筆者には、ほかの端末との差が気になった。
日立製作所とカシオは、携帯電話の共通プラットホーム開発のための新会社「カシオ日立モバイルコミュニケーションズ」で協業体制にある。件名でのメール振り分けやカレンダーでの画像サムネイル表示は、既にカシオ製端末で採用されていたものだ。
こういった関係もあってか、日立端末のアイデンティティと評価する人も多い「きくばりスイッチ」「きくばりセンサー」の採用は見送られ、2回目のお休みとなった。
では日立端末らしくないかといわれると、例えばカメラ機能を静止画と動画でそれぞれ一発起動できるスライドスイッチや、光センサーによるディスプレイのバックライト自動調整機能などは、いかにも日立だ。日立では「気配りスイッチ」採用には前向きの姿勢を貫いており、W22Hが2回目の「お休み」で済むことにも期待したい。
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