頻繁に使うメニューで、もう1つ気になるのがアドレス帳だ。入力項目は、姓名、ヨミ、電話番号×3、Eメールアドレス×3、グループ、郵便番号、国、都道府県、市町村、番地、メモ、誕生日、フォト、着信音/ムービー、シークレット設定と多彩。
ただし検索方法は、「ヨミ順」「グループ順」「あかさたかな順」の3種類しかない。
「ヨミ順」ではヨミの順にたて一列に並び、ダイヤルキーでヨミを入力するとインクリメンタルサーチが行われる。つまり「サ」と入力するとサ行の頭が表示され、続いて「イ」と入れると「サイ」の頭に……と順に表示されるわけだ。
「あかさたかな順」ではダイヤルキーによるショートカットは用意されておらず、十字キーで目当てのアドレスを探すことになる。
アドレス帳表示の先頭には、常に「新規作成」と「オーナー情報」(自局番情報など)が表示され、場所を取っているのは少々もったいないところだ。
ノキアやモトローラ、ソニー・エリクソンなど海外メーカー製端末が多い中(9月28日の記事参照)、国産端末としての期待もあるシャープ製902SH。ただしその操作性は一新され、これまでのシャープ端末に慣れたユーザーも再熟練を要す。
ボタン配置やメニューの内容が変わっただけでなく、メニュー操作の考え方が変わったのがやっかいだ。
十字キーで操作して決定キーで選択。クリアキーで戻る。細かな設定はサブメニューから──。これが従来の日本の携帯電話の操作系だった。902SHはウイザード形式でステップをたどりながら、その遷移には左右ソフトキーを使うイメージだ。特にメール作成でその傾向が強い。
ソフトキーは、左が「Yes」や「メニュー」などに割り当てられ、右が「No」「戻る」などネガティブ系の操作となっている。雰囲気としては、Nokia製端末やPDC時代のパナソニック製端末に近い。
ボーダフォン3G端末の中では貴重なQVGA対応端末だが、メニューの構造がそれを生かしていないのも気になる。
なお操作に対する反応は若干のもたつきも感じるが、操作感をスポイルするほどではない。
ともあれ、スペック面では現行携帯電話の最高峰に位置するのは間違いない。操作性の違いに慣れることができれば、貴重な選択肢となるだろう。
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