ケータイShoin3は、総合的な使いやすさではPOBoxやATOK+APOT、T9にあと一歩及ばないというのが正直な感想だ。いささか辛口のレビューになってしまったが、予測変換もワンタッチ変換も技術としてはまだまだ発展途上。
しかしこういうチャレンジャーな姿勢は好ましいではないか。進化の方向は決して間違っていないのだから、シャープの技術陣にはいっそうの改善を期待したい。
冒頭で紹介したように、SH506iCのケータイShoin3にはほかにもさまざまな機能が用意されている。それぞれについて簡単に触れておこう。
・推測頭出し変換
推測頭出し変換は1文字入力して「↑」を押すと、その行の文字で始まる単語やフレーズを適当に選んで表示してくれる機能だ。表示される候補は時刻によって変化する。「あ」で「いえーい!!!」、「か」で「きゃ〜♪」が出てくるなど、目の付けどころはシャープを通り越して、もはやシュール。真面目に使えるような機能ではないが、シャープは文字入力でもユーザーに遊んでほしいのだろう。
・人名優先変換
アドレス帳の名字を入力する画面では、名字の変換候補が先頭に表示される。よいアイデアだが、これが有効なのは近似予測変換だけであり、ワンタッチ変換からは利用できない。
・絵文字簡単入力
入力中の文字がないときに左ソフトキーを押すと絵文字や全角・半角記号の一覧が表示される。連続入力や最近使った文字の再入力にも対応している。
・音訓変換と英数カナ変換
かなを入力して左ソフトキーを押すと、その読みを音または訓としてもつ漢字の一覧が表示され、単漢字入力が可能になる。右ソフトキーでは入力されたキーに対応する英数字やカナが表示される。「111」を入力するためには「あああ」を入力しなければならない。
・UNDO(やり直し)機能
入力中の文字がないときに終話キーを押すと、誤って消してしまった文字を3回までさかのぼって元に戻してくれる。クリアキーの長押しですべての入力を消してしまった場合にも有効だ。きわめて便利なので、他社にもぜひ採用してほしい機能といえる。なお、文字入力中に終話キーを押すと、「う」→「い」のように読みを1つ戻す。
左は推測頭出し変換で「な」を変換したときの候補。いま午後9時半だが、どうやらぬくぬくと暖まりながら一杯やっているようすを推測されてしまったようだ(左)。中央はアドレス帳での人名優先変換のようす(中)。右は絵文字簡単入力の画面。左ソフトキーで全角記号、右ソフトキーで絵文字の第2画面に移動できる(右)
ほかにもダウンロード辞書や2タッチ(ポケベル入力)方式のサポートなど、日本語入力関係の機能は盛りだくさんである。シャープはどんな機能ももらさず採用しようとしているかのようだ。
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