機能があることすら隠せる〜「A5509T」の強力なセキュリティ(2/2 ページ)

» 2005年02月14日 05時28分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 利便性を無視していないのもいい。通常のアドレス帳とセキュリティモード用のアドレス帳には重複して登録することも可能。両方に登録しておけば、セキュリティモードに移行しなくても、アドレス帳から電話をかけたり、Eメールを作成でき、この場合でも発信履歴や送信済みメールは、セキュリティモードに移行しないと見えないように隠される。

 セキュリティモードのアドレス帳に登録した相手からの着信や受信Eメールは、セキュリティモードに移行していれば普通に呼び出すことができ、Eメール受信の通知も表示される。セキュリティモードを解除した状態では、音声着信はネットワーク側の留守番電話が対応し、Eメールは受信されるが通常の通知は行われない。つまり着信やEメールの受信があったことを隠せる。

 しかし着信やEメール受信の通知すらないのでは、自分でも着信したのかどうかを把握できなくなる。そこで用意されたのが、着信時に時計の色を変更する仕組み。セキュリティモードのアドレス帳に登録された相手からの着信や受信Eメールがあると、待ち受け画面上の時計の色が変わって知らせるのだ。時計の色は、「グレー」と「ライトグレー」といった微妙な色違いも用意される。設定した本人でなければ気が付かないような色にすることも可能だ。

 左から黒、グレー、ライトグレー。特に黒とグレーは、意識しない限り変化に気が付かないだろう

 セキュリティモードは、初期設定では端末を閉じると解除される。端末の開閉との連動機能を無効にすることもでき、この場合には閉じた状態で右側面のアプリボタンを2秒長押しすることででセキュリティモードを解除できる。それこそ突然「携帯電話を見せてみろ」といった場面に出くわしても、相手に手渡しながら、さりげなくセキュリティモードを解除できるわけだ。ほかにも、電源を切ると同時にセキュリティモードは解除されるようになっている。

 どのリセット操作を実行してもセキュリティモード用のパスワードは初期化されないようになっており、オールリセットを実行すると保護されたデータは消去される。盗難などにあってもパスワードを解析されない限り、保護された情報が盗み見られることはないだろう。

 細かなセキュリティモードは、アドレス帳編集ソフトなどの利用が制限されない点でも便利だ。多くの端末が備えるプライバシーモードでは、いちいち制限を解除しないとアドレス帳編集ソフトなどが利用できない場合が多い。A5509Tのセキュリティモードは、保護すべき情報を完全に分離しているので、このような不便はない。また、セキュリティモード用のパスワードは、プライバシーモードと共用されることが多い通常のパスワード(ロックナンバー)とは異なるので、アドレス帳編集ソフトが持つ総当りでのパスワード解析機能も役に立たない。

さまざまな顔を持つ、多機能ケータイ

 A5509Tはスマートモード、セキュリティモード以外にも、通話料やパケット使用量の上限を一定額に設定できる「制限モード」を備える。ビギナーに優しいケータイであったり、セキュアなケータイであったり、使いすぎを防ぐためのケータイであったりと、さまざまな顔を持っている。

 それでいて、今どきの携帯として過不足ない機能を備えているのがポイントになる。機能自体を削ってしまったビギナー向け携帯でもなく、遊びの要素を取り払ったビジネス携帯でもない。

 まだ携帯に不慣れな人もいる家族が共用したり、ビジネスマンがビジネスからプライベートまで幅広く活用したり──と、さまざまな使い方に対応できる。これまでの携帯とはちょっと違ったアプローチの“多機能携帯”といえそうだ。

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