「音声が再び熱い」──Nokia、法人市場でモバイルVoIP推進Nokia Connection 2005(2/2 ページ)

» 2005年06月14日 18時32分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
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 このように、音声は統合(convergence)の時代を迎えており、Nokiaは複数の無線通信方式をサポートする端末によりこれに応える。固定網側の無線技術としては、同社はすでにWiFiをサポートした端末を提供している。先週末には、WiMAX(NokiaはWiMAX Forum創業メンバーだが、一度脱退し、再加入している)で米Intelと提携し、共同で推進していくことを発表している(6月10日の記事参照)。既存の無線通線技術としては、3GのW-CDMA、HSDPAなどとなる。

 モバイルVoIPに特化してスピーチを行ったNokiaのワイヤレス テクノロジーマーケティング担当ディレクター、セッポ・アアルトネン氏は、SIPをベースとする点を強調した。これにより、プッシュツートーク、IM、同社のIPパケットベースの動画アプリケーション「Video Sharing」などのサービスも利用でき、相互運用性、既存投資保護などのメリットもあるという。

年内にマルチ無線端末を投入

 Nokiaの戦略の鍵となるのは、端末とソフトウェア技術。端末では複数の無線方式をサポートし、技術間のハンドオーバーをシームレスに実現する。製品としては、2005年にビジネスユーザー向けのモバイルVoIPをサポートするマルチ無線端末を、2006年には一般ユーザー向けのモバイルVoIP端末を提供する。また、先に発表したタブレット、「Nokia 770」でも2006年のアップグレードでSIPベースのVoIP、IM、プレゼンスなどの機能を利用できるようにする計画だ(5月26日の記事参照)

 ソフトウェアでは、Series 60、IPベースのアプリケーションとなる。たとえば、SkypeはSymbian OSと組み込みLinuxをサポートするロードマップを発表しているが、Series 60のオープン性によりこのようなサードパーティの技術革新が実現すると述べた。IPベースのアプリケーションでは、現在Video Sharingやプッシュツートークなどがあり、今後も開発を続けるという。

オペレータのビジネスモデルは?

 一方で、固定・無線の通信事業者にとっては、ビジネスモデルが見えにくいのが現状。Nokiaでは、無線オペレーターのメリットとして、屋内での携帯電話利用促進につながる点を挙げている。中でも、すでにWiFiサービスを提供しているオペレーターには、さらなる機会をもたらすという。また将来、マルチメディアと音声をIPベースで組み合わせることで、全く新しいサービスも出てくるだろうと予想した。

 アアルトネン氏によると、将来的にはVoIPの呼を3G網やWiMAXでも実装できるようになり、2009年にはインストールベースで無線LANをサポートした携帯端末の数は、1億台に達する見込みという。

 左がヤアッコ・オルッコネン氏、右がセッポ・アアルトネン氏


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