ボーダフォンのW-CDMAローミングの実力は? ソウル市内で通話テスト韓国携帯事情(2/3 ページ)

» 2005年07月04日 20時25分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]

 ワールドカップスタジアム駅から次の目的地を目指して地下鉄に乗ってみた際も、つながるかどうかが気になったため折に触れ電話をかけてみる。しかしアンテナは5本立っているものの、やはり「プー、プー、プー」という信号音が出て発信することができなかった。20分ほど乗ったところで次第にソウルの南側にある繁華街エリアに近づいてきたので、再度発信テストをしてみたところ、方背駅でやっと通じるようになった。

 次なるテストの場は、方背駅の3つ先の駅の江南だ。ここは若者向けのショップが多いほか、オフィスも密集しているためサラリーマンの姿も多く見かける、ソウル南側一番の繁華街。さすがにここではアンテナは常に5本立ち、通話も途切れることなく行うことができた。

 青瓦台や江南と異なり、ワールドカップスタジアム駅から方背駅近辺で発信できなかったのは、通話網の整備が繁華街や中心部から進められており、郊外ではまだ整備が完全でないためと考えられる。今回発信不能だった地域はソウルの西端にあり、どちらかというと住宅が多いエリアだ。このような地域では一見アンテナが立っていても、通話できないエリアが点在する可能性が高いので、訪れる際には注意が必要といえるだろう。

江南駅前にて。日本をはじめ海外からのビジネスマンも多いとあり、通話は問題なくできた

建物内で通じる?

 「たとえ人が集まる場所であっても、建物の中でも問題なく通じるのか」というのも、今回最も調べてみたかったテーマのひとつだ。韓国のW-CDMAも日本同様2GHz帯を使用しているので、屋内では電波が届きにくいと考えられるからだ。

 そこで次に、江南駅から地下鉄で10分ほどの三成駅に向かってみた。ここは貿易センターや大型ショッピングモール、映画館やオフィスなどが一堂に集まった複合ビル「COEX」があることで有名。すぐ横にはデパートとホテルとがあって、COEXのビルからも直結している。

 アンテナ5本で問題なくつながった三成駅からCOEXビル内に入り、デパート方面へ通じる200メートルほどの通路を通ってみる。ところがその通路を奥に進むにつれアンテナが次々と減っていき、ついには0本になって発信しても通じなかった。しかしデパート入口付近まで近づくと、アンテナもみるみる回復してあっという間に5本に。デパート内のやや奥まった場所に行くと4本になるなど、若干の上下はあったものの、おおむね問題なく発信できた。

つい30mほど先の通路ではアンテナが0にまで減ったものの、デパート入口付近にくると5本に回復した。

 次にデパートのすぐ横に位置するホテルへ行き、ホテル内のあちらこちらを歩き回ってみた。しかし前述のデパートと状況が異なり、窓や入口に近い方ではアンテナ5本で通話もできるものの、中央に行くに従ってアンテナの本数もが1〜2本と、著しく減少してしまった。

ホテルフロント脇のラウンジにて。やや奥まった場所に位置しているとあって、アンテナは2本だ

 最後に訪れたCOEXのショッピングモール内では、アンテナが随時5本立ち、通話も問題なくできる状況だった。やはりホテルよりも、人が多く訪れる商業施設を優先して屋内基地局を設置しているのだろう。

COEX内のショッピングモールは、奥まった場所に行っても安定した通話ができた

日本人のメッカでは通じる?

 続いて目指したのは、電子レンジから携帯電話まで扱う家電製品のメッカ、ソウル東部にあるテクノマートだ。2階から7階までが家電販売スペースなので、一番高い位置にある7階で試みてみたところ、問題なく通話ができた。アンテナも常に4〜5本を維持していた。

テクノマート周辺は住宅地となっており、ワールドカップ競技場のように不通状態となることが心配されたが、さすがは家電のメッカとあり問題なく通話ができた

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