ACCESSと沖電気、次世代IP携帯のソフトウェア開発で新会社

» 2005年10月17日 23時04分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 沖電気工業とACCESSは10月17日、次世代携帯をターゲットにしたソフトウェアを開発するジョイントベンチャーを立ち上げることで合意したと発表した。社名はOKI ACCESSテクノロジーズとし、11月1日に設立予定。出資金は1億円で、沖電気が51%を、ACCESSが49%をそれぞれ出資する。社長には沖電気の情報通信事業グループNWAP本部、中澤修部長が就任する。

Photo 左から、沖電気工業の篠塚勝正社長、中澤修氏、ACCESSの荒川亨社長、鎌田富久CTO

 両社は既に、次世代のIP携帯電話向けソフトウェアの分野で協業することに合意していた(6月24日の記事参照)。今回具体的に沖電気の音声・映像技術を、ACCESSの携帯向けプラットフォーム「NetFront Mobile Client Suite」に統合したソフトウェアを開発することになった。

 「携帯がIP電話になるのも見えてきた」(ACCESSの鎌田CTO)といい、従来のプラットフォームにSIPやVoIP、プッシュ・ツー・トークといった技術を盛り込んだ商品になっている。メーカーはこのソフトウェアを利用することで、多機能な次世代IP携帯電話を容易に開発できる。

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ACCESSが持ちかけ、沖電気が快諾

 今回のジョイントベンチャー立ち上げは、もともとACCESSが沖電気に持ちかけた話だという。「すべてを自社でやるには、時間が足りない」(ACCESSの荒川社長)ことから、音声・映像といったソフトウェア部分で沖電気の協力をあおいだ。

 沖電気といえば、従来の電話より広い音声周波数帯域をIPネットワーク上で伝達する技術「eおと」をはじめ、高音質なVoIP関連商品やMPEG4/H.264といった高画質な映像関連商品に強みを持つ企業。両者の思惑は一致し、スムーズにジョイントベンチャー立ち上げにつながったという。「新会社はACCESSに近い場所に位置する。ACCESSの技術者と協調しながら開発していく」(OKI ACCESS テクノロジーズ社長就任予定の中澤修氏)

 沖電気の篠塚社長は、これからはFMC(Fixed Mobile Convergence=固定と携帯の融合)、そしてIMS(IP Multimedia Subsystem)の時代になるとコメント。サービスが複雑化するに伴い、多くのアプリケーションを融合したトータルソリューションが重要になるという。

 「新アプリケーションを既存の市場、新市場に向けて積極的にリリースしていく」(篠塚氏)。事業規模として、2008年度に30億円の売上を見込むとした。

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