モブログの「間違えてアップ」が生み出す悲劇(2/2 ページ)

» 2005年12月26日 16時40分 公開
[新崎幸夫,ITmedia]
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 ブログの流行に伴い、アイドルのみならず有名AV女優もしばしばブログを運営するようになった。中には女優が自身の近影などを公開しているサイトもあるが、その日、当該AV女優がアップした写真は“近影”どころの騒ぎではなかった。

 おそらくこれもSさんと同様のミスだと思われるが、その女優は恋人あてと思われる文面とセットで、自分の身体の一部を撮影して送信した。プライベートな恋人を挑発する目的で送られた画像だけに、その過激さも想像できよう。

 当事者に聞く限り、その画像をアップしたことはブログ運営側が規約で禁止している「過激な性描写など、公序良俗に反する行為やウェブログ閲覧者に不快感を与える行為」に該当した。画像は運営サイドの手によってあわてて削除されたが、一部ユーザーがすかさずキャプチャーしたようで、現在もネット上で出回っている。これなどは、取り返しがつかない失敗というべきだろう。

どこに注意すべきなのか?

 ライブドアでブログを担当するネットサービス事業本部ネットサービス事業部 プロデューサーグループの佐々木大輔氏は、こうしたミスはよくあると話す。

 「そんなあるの? という感じだが、同様のミスをした人間を何人も何人も知っている。知人がミスした時は、私がRSSリーダーでたまたま当人のブログをチェックしていたおかげで、いち早く気づくことができた」

 ミスを犯した場合の対応として、緊急の場合は「信用できる友人などにIDとパスワードを教えて、該当記事を削除してもらうのが一番早いだろう」と佐々木氏。同時に、使用しているブログサービスのカスタマーサポートにも連絡したほうが良いのではという。

 「該当記事を削除しても、その画像自体がサイト内のほかの場所で表示されている可能性がある。またもう一点注意として、記事自体を削除しても画像まで削除されるわけではないので、併せて画像も必ず削除するように気をつけてほしい」

どうすれば防げるのか?――メールは“返信”で

 ブログは最近では、個人が管理するものとは限らない。企業のブログなどを運営している担当者は、間違えてアップしたメールのせいで職場にも迷惑をかけるおそれがある。どうすれば、この被害を避けることができるのか。

 前出の佐々木氏は、個人的には「メールを送るときは“返信”からしか送らない」ということを心がけていると話す。

 「これだと、間違えようがないので安心だ。あとは単純に、最悪の惨事をしっかり想定して事前にしっかりと確認すること、これに尽きる」。やはり根本的には、日頃の心がけというレベルの対策になるようだ。

 先のAV女優の事件に触れて、あるネットユーザーは匿名掲示板にこんな書き込みをした。「これと同じミスを『ブログの女王』眞鍋かをりがしたら、芸能人生命を絶たれていただろうな」。……ブログはコミュニケーションツールとして有用だが、こんな危険性もひそんでいる。アイドルの方も、そうでない一般ユーザーも、利用時には十分な注意を払ってほしい。

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