電話を使う人の優雅な身のこなし〜F702iD×平野敬子・工藤青石シリーズ・702iDクリエイターインタビュー(2/2 ページ)

» 2006年01月24日 22時35分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 「白は、汚れなき存在の象徴。光に最も近い色。白い携帯の中でも、最も白いものを目指した。……現存する端末の中で、これ以上白い携帯はない」

 携帯としては珍しく“金”のカラーリングが印象的な「金色」(こんじき)にしても、「金は東洋と西洋を横断して、世界で羨望されるもの。肌色ととても相性が良い色彩で、美術工芸でも欠かせない素材」といった具合に紹介される。

 こだわりは、端末内部にも浸透しているのだと工藤氏。「プログラムが許す限り、深い階層までほぼすべてに手を入れている」

 既報のとおり、F702iDは通常の着信音より1オクターブ下げて柔らかい音にした「ソフト着信音」を搭載している。これは「パブリック・スペースで鳴っても問題ないような、節度ある音をイメージした」(平野氏)というものだ。

 「利用頻度が高い『着信音』にこだわることで、日々の生活に気持ちいいものを効率よく取り込むことができる。基本をソフトな印象にして、デジタル信号でありながら気持ちいいい体験になるようにした」

 また自然界の音を使った着信音もプリインストールした。自然界の物質がこすれ合う音や雨、風が着信音にふさわしいとの判断から「ピチャ……ポチャン」という水の音がする「古池」、どこか寂しげな「ビュウー」という風の音が聞こえる「枯野」などがラインアップされている。

 光で情報を知らせる「ダブルイルミネーション」も、こだわった部分。2つのLEDが27色を光り分けるほか、4つのイルミネーションパターンが用意されている。こうした細部にこだわることで、破綻や矛盾のないよう、慎重に開発していったのだと平野氏は振り返る。

 「考えられるあらゆる時間を投入して、『携帯とは何か』を考え続けた2年間だった」(平野氏)

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年