慶大生はケータイとmixiの未来に何を見る? (1/3 ページ)

» 2006年02月24日 23時51分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 2月26日、東京・原宿のKDDIデザインスタジオで、KDDIと慶應義塾大学武山研究会との2005年度産学共同研究の最終報告会が行われた。

 ……と書くと固いが、要するに「大学生の皆さんは携帯をどんな風に使ったら面白いと思うか、KDDIが携帯電話を貸し出すから、新しいサービスを考えて発表してみてください」というコンセプトの会だ。KDDIと慶應義塾大学経済学部の武山研究会が2年前から実施しており、今回が3回目。産学共同研究の結果を直接利用した商品はまだ出てきていないが、ここでの発表内容については、KDDI社内でも企画の参考にしているという。

 イマドキの慶大生は、携帯でどんなことができたら楽しいと考えているのか? まずはその発表内容を見ていこう。

位置情報を使った街ナカ用サービスの可能性

 個人的に一番面白いと思ったのが「街中で位置情報を使った新規サービスの可能性」という発表。大学生が外に(街に)出かけているとき、どんな情報を知りたい、携帯で集めたいと考えているか? それに応えるサービスは存在するか? という研究である。

 街の中で欲しい情報、として挙がっていたのは以下のような情報だった。つまり、こんな情報を“すべて”入手できるようなサービスなら使ってみたい、ということだ。

種類 知りたい情報 詳細、情報が必要となるシチュエーション
A 周辺情報(位置) auショップに行きたい、近くの銀行でお金をおろしたい
A' 周辺情報(店舗情報) 美味しい料理を食べたい、マイナーなモノを売っている店に行きたい
B 近くにいる暇な友達 暇なすき間時間に、いっしょに食事をしたい、遊びたい
C ある場所での体験を共有 旅で見た風景やオススメのお店の情報などを人に知らせたい

 Aは行き先が決まっており、そこを検索すれば探せるものだ。例えばEZナビウォークの「目的地検索」を使って、「今自分のいる場所に近いxx」というように目的の場所を探せばたどり着ける。

 A'に近いサービスを提供しているのが、「NAVIBLOG」だ。携帯から位置情報を登録、情報発信できるBLOGサービスで、ある地点に登録された他の人のオススメ情報などを検索できる。しかし問題なのは、携帯からしか利用できず、PCからアクセスできないこと。またSNSではないので、友達の情報も見知らぬ人の情報も全て表示される。

 Bに近いサービスとして挙がっていたのが「Team Factory」「Activo.jp」。前者は友達に自分の位置や状況を教えられるサービスだが、UIが今一歩、状況を教えるのに能動的に文字入力しなくてはならない、といったところが面倒だという。また後者はGPSと連動した携帯用のSNSで、自分がいる位置を手動で登録し、近くにいる友達やオススメのお店を検索できるが、PCからの閲覧ができないという制限がある。

 そしてCに近いサービスが「ここまる」「DUOGATE」だ。ここまるは位置情報と地図をベースにしたSNSで、ユーザークチコミ情報を地図に投稿していき、地図を成長させようというコンセプトのサイトだ。ここまるの最大の弱点は「携帯で使えないこと」だという。

 auが提供する「DUOGATE」は、携帯とPC両方からアクセスでき、ビジュアル情報も格好いいが、UIが格好いいが使いにくいこと、1つの写真にすべての投稿をプロットするため、投稿が集中すると見づらいこと、ブログ、アルバム、スナップの各機能が連携するのはいいが、実際にはそれぞれのサービスがシームレスにつながっていない点が問題だとした。

 既存のシステムはそれぞれに良さがあるが、しかし連携していない点が問題。携帯だけしか、あるいはPCだけしか使えないサービスでは使い勝手や得られる情報量がイマイチだ、という分析は、確かに共感できるものがある。

 AからCまで、すべてのニーズを満たしてくれる新サービスはないか――彼らの考えるその姿は、mixiをベースにここまる的な地図+投稿情報表示機能を組み合わせ、その上にYahoo!MessengerやMSNメッセンジャーを実装したようなシステムだった。

既存サービスの問題点。各サービスそれぞれに良いところと悪いところがある
位置情報とメッセンジャ機能を使って、「近くにいて暇にしている友達」を検索できるシステム
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