EZwebにGoogleの検索エンジン──KDDIの真の狙いは? (2/2 ページ)

» 2006年05月18日 22時22分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]
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KDDIの真の狙いは……

 EZwebにGoogleの検索エンジンを載せる、KDDIの狙いは何だろうか。

 発表会で、KDDIコンテンツ・メディア事業本部長の高橋誠氏は「『何か調べたかったらすぐケータイ』という、新しいライフスタイルを作り出したい」と繰り返した。「せっかく定額を入れたのだから、他メディアとの連携を進めたい。今の若い子は、テレビを見ながらケータイを使う。テレビで見たことをケータイで検索するようになってくれれば、合弁会社を作るよりもよっぽど早くメディアミックスができる」(高橋氏)

 また別記事にもあるように、女子高生とのグループミーティングで「ケータイは(物を調べるのには)使えない」と言われたことも、高橋氏を後押ししたという。

 “ケータイでググる”を定着させること、これがいわば「表」の狙いといえる。しかしその他に「裏の狙い」もあるようだ。

 ユーザーにパケット定額プランが定着している、という印象が強いauだが、実はauのパケット定額プランは一律ではない。現在は1万2500パケットまで月額1050円、52500パケット以上は4410円の「ダブル定額ライト」(2005年3月23日の記事参照)、4万パケットまで月額2100円、8万4000パケットを超えると4410円の定額となる「ダブル定額」(2004年6月16日の記事参照)の2段構えであり、さらにその上には、PCサイトビューアーを使った場合の上限額が5985円、という定額料金も設けている(2005年3月23日の記事参照)

 携帯電話で検索するスタイルが定着すれば、パケット通信料が増えて、定額プランユーザーのARPUを引き上げることができる。Googleの検索結果をEZwebブラウザで見られるとはいっても、全てのページを見られるわけではない。また上述のように、検索結果にはPCサイトビューアーへのリンクが張られるため、リンクをたどってより詳しい情報を得たいと思えば、PCサイトビューアーを利用したほうが便利なのは自明だ。

 「PCサイトビューアーは、まだちょっとマニアックな人しか使っていないという印象。もっと広い層や、若い子にも使ってほしい」(高橋氏)

 「ケータイでググる」を定着させるとともに、ARPUを引き上げ、PCサイトビューアーのユーザーを増やしたい――auの真の狙いは、この2点にあると言えそうだ。

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