W42Sの音楽機能は、ひとことで説明するのが難しい。その主な理由は、au共通の音楽プレーヤーである「au Music Player」のほかに、独自の機能拡張を施した音楽プレーヤー「シャトルプレイヤー」を搭載しているところにある(5月22日の記事参照)。
本稿では、実際に使ってみるとどのような操作性なのか、写真を中心に解説していく。なお、スティックタイプのフラッシュメモリウォークマン「NW-A607」と操作性を比較した記事もあるので(5月22日の記事参照)、こちらも併せて参考にしてほしい。
端末下方に配置されているミュージックシャトルは、円形の独特の構造をしている。ソニーの円形キーというと「SO505iS」のディスクジョグなどもあるが、ミュージックシャトルはこれとは根本的に異なる。そもそも、クルクルと際限なく回るものではなく「くいっとひねる」ものといったものだ。
キーそのものを、本体に向かって押し込むように長押しすると専用プレーヤーの「シャトルプレイヤー」が起動する。この状態で、反時計回りにクッと回すと曲の頭出しが行える。時計回りの場合は、次曲の頭出し。時計回りに「グイー」と力を入れ続けると(本稿ではこれを『長押し』ならぬ『長回し』と表現する)、再生中の楽曲が早送りされる仕組みだ。逆に半時計回りに長回しすると、早戻しされる。「この操作体系は直感的なのではないか。ポケットの中に入れたままでも、指でミュージックシャトルをつまんで手軽に操作できる」(説明員)
再度キーそのものを押し込むと、シャトルプレイヤーの再生/停止となる。ちなみに、FMラジオ機能を利用しているときに短く回すと、FMラジオ選局。時計回り、反時計回りのいずれかに長回しすると周波数サーチを行う。
ミュージックシャトルの両サイドには、「VOL−」「VOL+」という表記が見える。よく見ると小さな長方形のキーが用意されており、これが音量調節キーとなる。向かって右にあるキーを本体側に向かって押し込むと、音が大きくなり、向かって左のキーを押すと音が小さくなる。
ここまで見てきて気づくかと思うが、ミュージックシャトルは実は簡単な操作しかできない。W42Sはイヤフォンジャックに差すことができる「ミュージックコントローラー」を備えており、ここから音量調整や音楽の再生・停止、FMラジオの起動・終了を行えるが、ミュージックシャトルも機能的にはこれと同等だ。
複雑な操作を行うには、「au Music Player」を起動する必要がある。シャトルプレイヤーを起動した状態で、十字キーである「クロスコントローラー」をクリックすればau Music Playerが作動する。ソフトウェアの構造上は「au Music Playerの上のレイヤーにあるのがシャトルプレイヤー」(説明員)とのことだが、操作上はシャトルプレイヤーのほうが下のレイヤーにあるかのような印象。ユーザーはワンクリックでシャトルプレイヤーを立ち上げ、もうワンクリックすることでau Music Playerを起動する。
au Music Playerを立ち上げると、画面は縦表示に変わる。ここからプレイリストの作成を行えるほか、音楽コミュニティー「うたとも」などにアクセス可能。「W31S」から備わっている、音楽ジャンルに合わせて音質を変えられるイコライザ機能も利用できる。イコライザは「Normal」「Pops」「Rock」「Hiphop」「Jazz」の5種類。ほかに、ボリュームを上げたときも音漏れしないようにする「AVLS機能」も備えており、これを利用しながらの音楽再生も可能だ。
面白いのは、「au Music ライブラリ」「M.S.Music ライブラリ」の2つのライブラリに楽曲を分けて保存する仕様になっていること。これは、W42Sが着うたフルと、音楽管理ソフト「SonicStage CP」によってPCからATRAC3形式で取り込んだ楽曲ファイルの2種類を管理していることに由来する。
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