前述のとおり、ビューアーポジションとディスプレイを開いた状態の「ケータイポジション」の両方で撮影できるわけだが、ビューアーポジション時はほとんどデジカメ感覚で操作可能。サイドにズーム、メニュー、シャッター、キャンセル(orムービーへの切替)の各キーが並び、これらの組み合わせですべての操作を行える。
ケータイポジションの場合は従来通り、文字でメニューが表示される。「0」キーでヘルプ表示をすると、テンキーすべてにショートカットが割り振られているのが分かる。ショートカットをうまく使えば、よく使う機能を瞬時にセットできるのでかなり便利だ。
904SHの性能面での特徴は2倍ズームと電子式手ブレ補正。手ブレ補正はデフォルトがオフになっているので、使うときは手でオンにしなければならない。手ブレ補正のショートカットは用意されておらず、メニューの奥にあるのでもしかしたらあまり使ってほしくないのかも……と思いつつ、撮り比べてみた。
結果は微妙。複数の画像を高速で連写して、両者を比較してズレを補正するという電子式の手ブレ補正だが(2005年11月25日の記事参照)、連写するにはそれなりのシャッタースピードが必要となる。つまり暗めの部屋では、手ブレ補正をオンにした方がノイズが増えて画像が荒れてしまうデメリットもある。――そしてたぶん、手ブレ補正を使うのは暗い場所なのだ。
ブレないように撮れるなら、手ブレ補正オフの方がいい結果が得られる。オンのときの補正効果は、オフの方があまりブレてないこともあって分かりづらいのだが、オンにした方がそこそこシャープになっている。ただ使いどころが難しいので、普段はオフで、VGAの画面で確認して「あ、手ブレしたかな」と思ったら、オンにして撮り直すというのが現実的かと思う。
性能面でもうひとつ注目すべきは動画。ケータイでも、VGA(640×480ピクセル)サイズの動画が撮れる時代になった。640×480の15fps(秒15コマ)で撮影できる。
QVGAやVGAサイズの場合、動画の圧縮形式はMPEG4だが、ファイル形式としてASFか3GPかを選ぶことができる。3GPはMPEG4をベースにした国際規格で、ドコモなど多くの端末が採用する形式。ASFはマイクロソフトの動画形式で、一部の端末が採用している。
屋外のきれいな動画作例が用意できなくて申し訳ないが、まあその大きさとクオリティはわかるかと思う。そんなわけで、“究極の全部入り”とも称されたV904SHはカメラ機能もかなり優秀で、ハイクオリティなのだった。画質面でも携帯トップクラスといって過言ではなさそうだ。カメラ性能優先でボーダフォン端末を選ぶなら、間違いなくコレだろう。
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