今、韓国で注目度No.1──携帯MMORPG「アイモ:The World of Magic」とは韓国携帯事情(2/2 ページ)

» 2006年06月26日 19時22分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]
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 ゲーム開始後は、PCのMMORPGと同じ感覚で遊ぶことができる。キャラクターの動きは機敏で、移動や戦闘も次々と進んでいく。特に戦闘の際などは、相手が強いと本当に一瞬で終わってしまうなど、リアルな展開だ。またこの時、より簡単な操作でスピード感あふれる戦いができるよう、アイテムなどを番号キーに割り当てておけば、次からはボタン1つでアイテムを使えるようになる。

 ほかにも基本的な機能の大部分は、単純なボタン操作で行えるなど、ボタンの数に制限のある携帯電話で使いやすいよう工夫をこらしている。

 アイモではチャットも人気サービスの1つだ。画面下に現れるチャットウィンドウは一瞬のうちに言葉で埋まり、スクロールも大変速い。アイモの主要ユーザーは中・高校生。“親指チャット”に相当慣れていることを伺わせる。

 PCよりも画面が小さいという部分が携帯電話の最大のネックとなるが、キャラクターは線や色がくっきりとして見やすく、イラスト自体も単純化されているので小ささゆえの見難さもさほど感じない。キャラクターよりも、全体を見渡せる範囲が狭いことが気になった。

Photo IMOのファンタジー溢れる世界。キャラクター選びでは、職業や性別、髪型、名前などを自分で決められる。職業は剣術に長け体力のある戦士、機敏な飛び道具使いのレンジャー、強力な魔法を使える魔法使いから選べる

Photo 丸いピンク色はモンスターだ。アイモに登場するモンスターはこのように可愛らしく、女性ユーザーからの反応も良いという。モンスターは全部で20種類程度がいる
Photo チャットをしている様子
Photo チャットの表示エリアは、全画面の半分程度まで増やせる

Photo PvP(プレーヤー対プレーヤーの戦い)やモンスターとの戦闘中(左)。アイテムが下にずらりと並んでいる。アイテム取引を行っているところ(右)

日本でサービスインの可能性は

 オープンβサービスでは、チャットやアイテム取引などのコミュニティが好評な一方、(1)接続者が増えるほど遅延が発生する(2)ユーザーのアイテム消耗速度が速すぎてコンテンツをより早く充填する必要がある──といった反省点もいくつか出た。

 商用サービスに向けた目標についてYu氏は「こうした点を克服した上で、アイテム生成や取引機能を充実させたり、モンスターの種類を増やしたり、巨大ボスのいるようなダンジョンを新設したいです。また1人で倒すには難しいモンスターとは、パーティを作って戦いたいというユーザーからの要望もあるので、これにも応えるつもりです」と話す。

 初の携帯電話向けMMORPGということで、特別な機能や仕掛けに対する期待感も高いが、同氏は「モバイル環境でMMORPGが楽しめるという点を、優先的に充実させていくことがまずは第1ステップ。モバイル特有の機能というのはその次のステップとなるでしょう」とした。

 とはいえ、カメラやSMS、位置情報サービスなど、携帯電話の機能と結びつけた楽しみ方には可能性を見出している。特に携帯電話の利用者は、プレイ時間が短いという特徴があることから、それに合わせた機能や楽しみ方も模索しているようで、今後の独自の進化が期待される。

 さらに日本を含めた外国でのサービスについても「キャリアなどとの調整も必要となるが、技術的には可能だろう」(Yu氏)と確信を持っている。中でも画面が大きく、解像度も高い端末が多数リリースされている日本市場に対しては、サービスする環境の面から好意的に見ている。ちなみに開発プラットフォームはBREWおよびWIPI C(2005年3月3日の記事参照)だ。

 アイモが商用サービスを開始するのは7月中の予定。データ通信料も含めた利用料は月額固定で4900ウォン(約590円)。SK TelecomやLG Telecomでのサービス提供も検討中だ。

 オンラインゲームが盛んな韓国で、アイモはどこまで受け入れられるのか。今後の携帯電話向けMMORPGの動向を占う上でも注目だ。

佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。


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