[es]の狙い、そして次なるW-ZERO3の構想(2/3 ページ)

» 2006年07月20日 11時43分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

「片手で操作できる」ようにするための工夫

photo 表面にダイヤルキーを備えた

 音声端末としても活用できるスタイルにするならば、入力方法も“ならでは”の工夫をする必要があった。テーマは「片手で操作できるようにする」である。

 W-ZERO3[es]は、表面に[0〜9]、[*]、[#]などのダイヤルキーも搭載する。キーボードを収納した状態で、受信メールのチェックやメールの作成、送信など、携帯で行える一連の動作がすべて片手で行えるようになり、携帯と同じようなスタイルで使用できるようにした。

 また、ダイヤルキーの採用に伴い日本語入力システムも一新。携帯への採用例が多く、変換効率もよいジャストシステムの日本語入力システム「ATOK+APOT」を採用した。入力した文字から、次に続く単語や文章を予測して候補として表示する「予測変換機能」にも対応する。

 「もちろん従来のW-ZERO3が市場で評価されたのは、VGA解像度のディスプレイや両手で入力できるQWERTYキーボードを採用した点にあったと認識しています。そこは踏襲しています」(須永氏)

 ディスプレイは2.8インチに縮小されたが、VGA/640×480ピクセルの解像度は同じだ。そのためW-ZERO3用のコンテンツなども基本的には共通で使える。液晶を閉じた状態でのダイヤルキーとATOKの組み合わせもあるが、WORDやExcelなどのPC環境に慣れたユーザーも快適に文字入力が行えるようになっている。

 そのほか、W-ZERO3でもダウンロード率の高い、タブ切り替えが可能なWebブラウザ「Opera Mobile」や「Flash Player 7.0」を標準でインストールし、「W-ZERO3メール」というメールの自動振り分け機能や、メールの送受信後に自動的に切断する機能などを備えた独自のメールソフトも用意した。ちなみにWindows Mobileに標準で備わるMS-IMEやInternet Explorer Mobile、Outlookも使用できる。

USBホスト機能で“親機”に

photo USB接続タイプのワンセグチューナーユニット(試作機)を搭載するW-ZERO3[es](中央)、ペンタックス製の携帯モバイルプリンタ「PocketBook 30i」なども使用できる

 W-ZERO3[es]は、W-ZERO3と同社の音声端末の間を埋めるセグメントを担う端末である。そのためW-ZERO3に搭載する無線LAN機能は省かれている。またBluetooth機能も搭載していない。本体に搭載しない機能は周辺機器でサポートするという考えとなっている。

 本体にはminiUSBポートが備わり、Windows MobileがドライバをサポートするUSBデバイス──例えばUSBキーボードやUSBメモリ(マスストレージクラス)などを接続して使用できる。

 「従来のW-ZERO3はPCとの連携において、PCを親とするとW-ZERO3は子にしかならなかった。しかし[es]では、本機が親というイメージにも展開できます。今回はUSBに用途展開も容易な、USBホスト機能を設けています」(廣瀬氏)

 「わざわざ携帯用に周辺機器を買わずとも、すでにあるものが使えますよ、という提案を積極的に行いたいと思っています」(須永氏)

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