“WIN”な「G'zOne W42CA」も優れた「航海機器」なのか勝手に連載!「海で使うIT」(2/4 ページ)

» 2006年07月28日 22時07分 公開
[長浜和也,ITmedia]

電子コンパスを活用する“ひと工夫”はこれっ

 G'zOneを船で使う、となるとまずチェックしなければならないのが「電子コンパスを使ってクロスベアリング」となる。ITmediaなのにあえてこの記事をクリックしている「スキッパー」ならご存知だと思うが、クロスベアリングとはコンパスを使って自分の位置を求める手法の1つで、灯台や山頂など地図(海図)に描かれていて位置が分かっている目標の方位を2つ以上(できれば3つ)ハンドコンパスで測定し、それぞれの位置からの方位線を海図に記入して自分の場所をプロットする作業だ。それ以外でも接近してくる他船の方位変化をハンドコンパスで継続して測定することで衝突の危険があるかチェックしたりと、コンパスで方位を測定するという行為は船に乗るものにとって非常に重要な技であったりする。

 G'zOne W42CAに実装された電子コンパスはTYPE-Rと同様に地磁気センサーを用いており、その精度は「1度」単位まで表示する。メインの画面以外にマルチサークルディスプレイに表示される仕様もTYPE-Rと同じだ。ダイヤルキーがある下ケース側のボディを水平にして方位を測定するため、そのスタイルが「ディスプレイ側の上ケースを直角にし、G'zOne W42CA本体を頬にあてて、方位目標を正確に照準すべし」という“方位測定フォーム”なのはTYPE-Rを取り上げたこの連載で紹介した通りだ。

 ところがなんたることか、このとき一緒に紹介したアクティブプロテクターと自作の矢印シールを組み合わせる「測的目標捕捉照準」は、G'zOne W42CAでアクティブプロテクターが廃止されてしまったために使えなくなってしまった。照準器がなくともそれなりに方位は測れるが、せっかく1度単位で方位が表示されるコンパスである。できるものなら正確にコンパスを目標に向けたい。

 という事情から、G'zOne W42CAでもコンパスのために「ひと工夫」を加えてみる。具体的には「テグス(釣り糸)を使ってアクティブプロテクターの代用品を自作する」作業となる。

Photo まずはテグス(釣り糸)を調達する。できるだけ太いものを用意したい。テグスがなければ弾力のある樹脂製ケーブルでもよい
Photo テグスを9センチから10センチ程度にカットして液晶ディスプレイ側面の上端に接着する。パネルの合わせ目にテグスをはわせると固定しやすい。作例では「原状復帰」できるようにテープを使って固定しているが、確実にするならば瞬間接着剤を使うのがベスト。見た目は悪くなるが「質実剛健」ということでヨシとしよう

Photo テグスを“ぐにょっ”と曲げて両サイドで固定する。テグスの弾力でセンターがちょうど頂上になるようなカーブを描いてくれる。その下に白いビニールテープをカットした矢印を貼り、テグスカーブの頂上にマジックで印をつければ、自作「測的目標捕捉照準」の出来上がりだ
Photo テグスにマジックでつけた印と本体に貼った矢印シールを結んだ線上に目標を捉えれば、水平に構えたG'zOne W42CA本体の電子コンパスが見事目標に向いていることになる。なお、電子コンパスを起動するときはG'zOne W42CAを閉じた状態でモードボタンを押し、電子コンパスを起動してから本体を開いて目標の照準を狙えばすばやく方位を測的できる

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