身近な製品の次は、今回の展示最大の目玉となる「生産工程にみられる ちえものづくり」のゾーンだ。ここでは最先端技術を用いて製造される製品の構成要素や製造工程を展示している。
中央には日立製作所の協力により、auのワンセグケータイ「W41H」の分解モデルが展示されている。中央にグレースホワイトのW41Hがあり、その周りを取り囲むように基板やチップ、液晶ディスプレイ、ボディのフレーム、ヒンジのパーツ、FeliCaチップとそのアンテナなどが所狭しと並んでいる。これは必見だ。携帯の中がどうなっているのか見てみたい、という欲求を存分に満たしてくれる。
分解モデルの周囲には、基板の製造工程を映像で紹介するコーナーや、基板や射出成型で製造される外装品などの展示、金型などがあり、普段目にすることのない、ケータイの中身やケータイがどうやって作られているかといった部分を間近に見ることができる。
このほか、独自の技術で世界市場からも注目されている中小企業の製品を紹介するゾーンもある。蚊の針から着想を得て開発された世界一細い注射針「ナノパス33」、米国防総省や航空機内の避難誘導表示などに採用されている夜光塗料「N夜光(ルミノーバ)」といった、世界に誇れる高い技術で製造された製品たちが展示されている。
製造している企業の名は、一般にはあまり聞かないものが多いが、その技術力の高さには驚かされる。
入場料無料で、めったに見ることができない携帯電話の内部がつぶさに観察できてしまう今回の展示は、携帯電話に興味があるなら一見の価値がある。もちろん携帯の中身以外にも、身近な製品が実は非常に高度な技術から作られていることが分かり、学生/生徒だけでなく、大人も十分楽しめる内容となっている。
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